ペシペシ、ペシペシ。
「にーに、おきて」
「おきておきて」
「おーきーてー」
うお、またララ達が顔を叩いて起こしたと思ったら、目の前にマシュー君とジョン君とルーク君のドアップがあった。
普段ない起こされ方だったから、かなりビックリしたぞ。
外では既にララ達が遊んでいるようで、俺もということで起こされたようだ。
何で子どもってこんなに朝起きるの早いんだろう。
まだ眠い頭を何とか起こしながら、子ども達の方に向かっていった。
「サトー様、すみません。いつもマシューがご迷惑をおかけして」
「いや、嫌われているより全然大丈夫ですよ」
朝食の後に出発した所で、アメリア様から謝られた。
カミラ様やノラ様からも同様に謝れたが、特に気にすることはない。
「子どもの感性というか、祖父や父は嫌っていて懐いていませんでした」
「我が家も同じです。母にもあまり懐いていなくて。世話は乳母任せだったので問題はなかったのですが」
「もしかしたら、サトー様には害がないと感じているのかもしれないですね」
成程、子どもだから余計にそういう所に敏感なのだろう。
あの子達は悪意とかも見分けていたから、先天性のものもあるのかな。
シルとかも全然平気だし、軍務卿も大丈夫だった。
外見で嫌うことはなさそう。
マシュー君達はシルを枕にして寝ているけど。
ついでだから、ゴレス侯爵領の事を色々聞いてみよう。
「アメリア様、侍従で信頼の置ける人はいますか?」
「うーん、執事は駄目だと思います。一緒に捕まっていますし。乳母とかの一部のメイドなら大丈夫ですね」
「我が家も執事が捕まっていますし、メイドもどうかと思います」
「御用商人がワース商会なので、屋敷のものにも深く入り込んでいます」
どうしよう、いきなり出だしで躓いた。
屋敷内の人間は殆ど駄目じゃん。貴族主義とかそういう問題じゃなさそうだ。
「王都の屋敷の人はどうですか?」
「そう言われると、確かに王都のお屋敷の人はまともです」
「殆ど領地からでていないので、適当に選んでいる可能性があります」
「単純に実務をこなすというだけなら、問題はないかと思います」
良かった、全部駄目かと思ったよ。
陛下か内務卿に頼んで、オッケーが出たらきてもらわないと。
どっちにしろ、王都の屋敷は没収されるだろうし。
「それで、領内はワース商会と人神教国が牛耳っていたと」
「はい、他に商会がないわけではないのですが、取引はかなり制限されていました」
「それに他の領とも関わりが浅いので、あまり取引がありません」
「私の所は、ほぼワース商会で牛耳られていました。規模も小さいので仕方ないといえばそうなんですけど」
うーん、ブルーノ侯爵領よりも酷いぞ。
賄賂とか諸々あったんだろう。
よく、こんなんで領地経営がまわっていたな。
「ビアンカ殿下、やばい匂いしかしないんですけど」
「ぶっちゃけ、蓋を開けたらもう駄目だったとならぬことを祈りたい」
ビアンカ殿下が神頼みしている。
どうにかしたいけど、どうにもならないのは勘弁だそ。
「ちなみに産業ってどんなのがあります?」
「ゴレス侯爵領は林業が盛んです。後は鉱山もあります」
「ブラントン子爵領も林業ですね。耕作地は少ないので」
「マルーノ男爵領は正直あまり産業がなく、中々厳しいです」
これって前世の過疎の地域に似ているのでは?
「ビアンカ殿下、もしかして山がちで過疎地域?」
「それ以外に言葉が見当たらぬ。しかも獣人を蔑ろにしたので、肝心の林業も成り立たたないのじゃ」
やばい、やばすぎる。それで贅沢がしたいが為に、人神教国と組んだ分けか。
お昼すぎには段々と山道に入っていき、ある程度進むと盆地が広がった。
この盆地一帯がゴレス侯爵領で、更に山側にブラントン子爵領とマルーノ男爵領か。
湖もあって川もあるから水源には困らないし、うまくいくと観光地化もできそうだけど。
門をくぐると何だか活気がない街並みの中に、一際目立つ人神教会とワース商会の建物があった。
もしかして、近くにある領主のお屋敷よりも大きいのでは。
そして人神教会には、先発でついていた軍の一団が囲んでいた。
「エステル殿下にビアンカ殿下、遠くよりお疲れ様です」
「一体何が起きたの?」
「はっ、実は中に残党が立て籠もっております」
最後の抵抗で立て籠もっているのね。
ドアも開かないとなると、手立てを考えないと。
「とー!」
っておい、ミケと子ども達が一斉に二階にある窓から中に侵入していった。
数分後、ドアが開けられ中からミケ達が立て籠もりしていた残党をぐるぐる巻きにして出てきた。
「ミケ、勝手に行動しちゃ駄目でしょう!」
「えー、これが一番早かったんだもん」
ちっとも反省していないミケを尻目に、あ然とする兵士達。
よく見ると、お屋敷でも周囲を取り囲んでいたけど、ドアが開いて糸でぐるぐる巻きにされた残党がポイッと外に出された。
こっちはタラちゃん達が潜入していたな。
「すみません、もしかしてブラントン子爵領とマルーノ男爵領も同じですか?」
「はい、その通りになります」
これは、後で市中巡回もしないと駄目だな。
俺とアメリア様達にマシュー君達はお留守番で、二手に分かれて馬車でブラントン子爵領とマルーノ男爵領に向かっていった。
一時間後、残党と共に一行が帰ってきた。
ゴレス侯爵領から近いので、ワープする必要もないという。
お屋敷でもかなりの人が捕らえられているし、本当にゴレス侯爵領はやばい状態じゃないか。
「にーに、おきて」
「おきておきて」
「おーきーてー」
うお、またララ達が顔を叩いて起こしたと思ったら、目の前にマシュー君とジョン君とルーク君のドアップがあった。
普段ない起こされ方だったから、かなりビックリしたぞ。
外では既にララ達が遊んでいるようで、俺もということで起こされたようだ。
何で子どもってこんなに朝起きるの早いんだろう。
まだ眠い頭を何とか起こしながら、子ども達の方に向かっていった。
「サトー様、すみません。いつもマシューがご迷惑をおかけして」
「いや、嫌われているより全然大丈夫ですよ」
朝食の後に出発した所で、アメリア様から謝られた。
カミラ様やノラ様からも同様に謝れたが、特に気にすることはない。
「子どもの感性というか、祖父や父は嫌っていて懐いていませんでした」
「我が家も同じです。母にもあまり懐いていなくて。世話は乳母任せだったので問題はなかったのですが」
「もしかしたら、サトー様には害がないと感じているのかもしれないですね」
成程、子どもだから余計にそういう所に敏感なのだろう。
あの子達は悪意とかも見分けていたから、先天性のものもあるのかな。
シルとかも全然平気だし、軍務卿も大丈夫だった。
外見で嫌うことはなさそう。
マシュー君達はシルを枕にして寝ているけど。
ついでだから、ゴレス侯爵領の事を色々聞いてみよう。
「アメリア様、侍従で信頼の置ける人はいますか?」
「うーん、執事は駄目だと思います。一緒に捕まっていますし。乳母とかの一部のメイドなら大丈夫ですね」
「我が家も執事が捕まっていますし、メイドもどうかと思います」
「御用商人がワース商会なので、屋敷のものにも深く入り込んでいます」
どうしよう、いきなり出だしで躓いた。
屋敷内の人間は殆ど駄目じゃん。貴族主義とかそういう問題じゃなさそうだ。
「王都の屋敷の人はどうですか?」
「そう言われると、確かに王都のお屋敷の人はまともです」
「殆ど領地からでていないので、適当に選んでいる可能性があります」
「単純に実務をこなすというだけなら、問題はないかと思います」
良かった、全部駄目かと思ったよ。
陛下か内務卿に頼んで、オッケーが出たらきてもらわないと。
どっちにしろ、王都の屋敷は没収されるだろうし。
「それで、領内はワース商会と人神教国が牛耳っていたと」
「はい、他に商会がないわけではないのですが、取引はかなり制限されていました」
「それに他の領とも関わりが浅いので、あまり取引がありません」
「私の所は、ほぼワース商会で牛耳られていました。規模も小さいので仕方ないといえばそうなんですけど」
うーん、ブルーノ侯爵領よりも酷いぞ。
賄賂とか諸々あったんだろう。
よく、こんなんで領地経営がまわっていたな。
「ビアンカ殿下、やばい匂いしかしないんですけど」
「ぶっちゃけ、蓋を開けたらもう駄目だったとならぬことを祈りたい」
ビアンカ殿下が神頼みしている。
どうにかしたいけど、どうにもならないのは勘弁だそ。
「ちなみに産業ってどんなのがあります?」
「ゴレス侯爵領は林業が盛んです。後は鉱山もあります」
「ブラントン子爵領も林業ですね。耕作地は少ないので」
「マルーノ男爵領は正直あまり産業がなく、中々厳しいです」
これって前世の過疎の地域に似ているのでは?
「ビアンカ殿下、もしかして山がちで過疎地域?」
「それ以外に言葉が見当たらぬ。しかも獣人を蔑ろにしたので、肝心の林業も成り立たたないのじゃ」
やばい、やばすぎる。それで贅沢がしたいが為に、人神教国と組んだ分けか。
お昼すぎには段々と山道に入っていき、ある程度進むと盆地が広がった。
この盆地一帯がゴレス侯爵領で、更に山側にブラントン子爵領とマルーノ男爵領か。
湖もあって川もあるから水源には困らないし、うまくいくと観光地化もできそうだけど。
門をくぐると何だか活気がない街並みの中に、一際目立つ人神教会とワース商会の建物があった。
もしかして、近くにある領主のお屋敷よりも大きいのでは。
そして人神教会には、先発でついていた軍の一団が囲んでいた。
「エステル殿下にビアンカ殿下、遠くよりお疲れ様です」
「一体何が起きたの?」
「はっ、実は中に残党が立て籠もっております」
最後の抵抗で立て籠もっているのね。
ドアも開かないとなると、手立てを考えないと。
「とー!」
っておい、ミケと子ども達が一斉に二階にある窓から中に侵入していった。
数分後、ドアが開けられ中からミケ達が立て籠もりしていた残党をぐるぐる巻きにして出てきた。
「ミケ、勝手に行動しちゃ駄目でしょう!」
「えー、これが一番早かったんだもん」
ちっとも反省していないミケを尻目に、あ然とする兵士達。
よく見ると、お屋敷でも周囲を取り囲んでいたけど、ドアが開いて糸でぐるぐる巻きにされた残党がポイッと外に出された。
こっちはタラちゃん達が潜入していたな。
「すみません、もしかしてブラントン子爵領とマルーノ男爵領も同じですか?」
「はい、その通りになります」
これは、後で市中巡回もしないと駄目だな。
俺とアメリア様達にマシュー君達はお留守番で、二手に分かれて馬車でブラントン子爵領とマルーノ男爵領に向かっていった。
一時間後、残党と共に一行が帰ってきた。
ゴレス侯爵領から近いので、ワープする必要もないという。
お屋敷でもかなりの人が捕らえられているし、本当にゴレス侯爵領はやばい状態じゃないか。