さて、お屋敷の荷物を運ぶにあたって問題がある。
できる限り生活魔法と聖魔法できれいにしたので、もう血しぶきはついていない。
しかしながら、カーテンや絨毯などはビリビリになっているから、これらは買い替えたほうがいい。
机とかベッドをまとめてアイテムボックスに入れればいいが、無造作に入れるとどこの部屋の物かが分からなくなる。
うん、やっぱり一部屋毎に作業をしよう。
まとめてできないかと考えたが、無理そうだった。
「よっと。最初は楽勝かと思ったけど、意外と疲れるぞ」
収納と出すのは一瞬だから、簡易倉庫に置いたらどこのものか分かるようにしておけばいい。
お屋敷と倉庫をひたすら往復するのが、とにかく疲れる。
それでも、お昼までにはなんとか半分の部屋の荷物を運び出した。
「サトーよ、だいぶ疲れているのう」
「アイテムボックスに出し入れするだけだと思ったんですが、お屋敷と倉庫の往復が辛いです」
「そればっかりはどうしようもない。諦めるのじゃ」
「ですよねー」
昼食時にビアンカ殿下からも疲れた様子を心配されたが、話をしたらどうしようもないと匙を投げられた。
ちなみに子ども達は目の前の食事に夢中になっていて、俺が疲れているのに全然気がついていなかった。
子ども達もそれぞれやることがあるし、エステル殿下やリンさん達も忙しいので、午後も一人で頑張って荷物運びをすることに。
拘置所代わりの部屋に入ると、襲撃者達から「何やっているんだこいつ?」という目で見られていた。
見方によっては、大規模窃盗犯だもんな。
三時頃になると荷物運びも大体一段落したので休憩をしていると、ミケとミケに抱かれたスラタロウがこちらにやってきた。
「お兄ちゃんお疲れ」
「ミケもお疲れ。まだ街に潜んでいるのが多いな」
「そうなの。まだいそうだから、明日もパトロールするよ!」
午後になっても数人捕まえてきたけど、もう少し残党がいるのか。
早く犯罪者を一掃しないと、治安が良くならないな。
そう思っていたら、何故かミケがニヤニヤしていた。
気のせいか、スラタロウもニヤニヤしている気がする。
「お兄ちゃん、スラタロウが凄い魔法をするよ。見ていて!」
どうもスラタロウが新しい魔法を考えたようだ。
ミケはヘレーネ様と何か話をしていたと思ったら、お屋敷の敷地の隅の方にスラタロウと共に移動した。
「ミケちゃんとあのスライムは、一体何をするのでしょうか?」
「うーん、この二人が絡んでいるということは、常識外の事が起こると思いますよ」
ヘレーネ様とダニエル様も一緒に、ミケとスラタロウの様子を見ていた。
どうも準備は完了したようだ。
「ふふふ、お兄ちゃんビックリして腰を抜かすよ」
どうもミケとスラタロウは自信満々の様だ。
スラタロウが、庭の空いているスペースに魔法を唱えた。
「まさか、ありえないです」
「そんな、こんな事が起きるとは」
ヘレーネ様とダニエル様は、目の前で起こった事が信じられないようだ。
俺も開いた口が塞がらない。
「ふふーん、スラタロウの新魔法だよ!」
ミケは自信満々に答えていた。
俺の目の前には、何故か旅館が現れていた。
そして、スラタロウは更に小さめの一軒家を二つ出現させた。
「これは、アイテムボックスの応用か? しかしこんなバカでかいものって、普通収納できるのかよ」
俺のつぶやきに、スラタロウがふるふる揺れていた。
タネを明かせば簡単だが、こんなバカでかいのを俺はアイテムボックスに収納できる余裕がない。
というか、この三つの建物はどうしたんだ?
「ミケ、この建物は一体どうしたんだ?」
「壊す予定だった空き家だって。ちゃんとミケが買ったんだよ」
と、ミケが契約書を見せてくれた。
ミケの物に加えてビアンカ殿下のサインもあるから、おそらくちゃんとした契約書だろう。
「流石にサトーも驚いたようじゃのう」
「目の前に家が現れたら、そりゃ驚きますよ。まさかアイテムボックスを、こんな使い方するなんて思ってもなかったですよ」
俺の後ろからビアンカ殿下が現れた。
ニヤニヤしていると言うことは、ミケとスラタロウに一枚かんでいるのだろう。
何事かと思ったのか、他の人も集まっては度肝を抜かれていた。
まずは旅館に入る。
埃っぽかったので生活魔法で綺麗にしたら、全く問題のない生活空間が広まっていた。
狭いけど部屋数は二十位だから、侍従達の部屋には問題ないだろう。
一軒家は少し補修が必要だけど台所にお風呂もあるから、建て直すまでの間の仮宿には問題無いだろう。
「ヘレーネ様にダニエル様。建て直しが終わるまでの仮宿ですが、こんなのでいいですか?」
「いいも何も、これは予想以上です」
「これなら、直ぐに仕事も始められます」
二人は未だに目の前に現れた建物の衝撃にビックリしていたが、それと同時に喜んでくれた様だ。
建物の中を色々見てまわっていた。
家具とかはないけど、これは今日運んだ荷物を配置すれば大丈夫だろう。
「いやあ、いきなり家が出てきたからビックリしたよ」
「俺だって驚いてますよ。でも屋根とかを修復すれば、当面は住む場所に困らないですね」
「ちゃんとした住む家があるのは大事だよ」
「でも今まで大きなお屋敷に住んでいたのに、ありあわせの家で大丈夫ですか?」
「あの二人は官舎に住む予定だったし、問題ないでしょう」
エステル殿下が大丈夫といったなら、問題ないだろう。
俺は明日一日建物の修繕になるかな。
魔獣から戻った人へのテントもできたけど、庭のそこら中がテントだらけになってしまった。
早いうちに、人々をゴレス侯爵領とかに送っていかないと。
「こ、これがスライムが作った料理!」
「とても美味しいですよ」
ダニエル様の歓迎もあって、またもやスラタロウが夕食を張り切っていた。
何でも家を見ていたときに市場で魚を見つけたので、ムニエルにしていた。
まさかこんな所でムニエルが食べられるなんて思ってもみなかったらしく、とても好評だった。
「私達も食べていいのでしょうか?」
「勿論です。兵の分もありますから、全く問題ないですよ」
アメリア様達は豪華な食事を遠慮しようとしていたが、座らせて食べてもらった。
ちなみに弟君達は、ララ達と一緒においしいと笑顔で食べてくれていた。
できる限り生活魔法と聖魔法できれいにしたので、もう血しぶきはついていない。
しかしながら、カーテンや絨毯などはビリビリになっているから、これらは買い替えたほうがいい。
机とかベッドをまとめてアイテムボックスに入れればいいが、無造作に入れるとどこの部屋の物かが分からなくなる。
うん、やっぱり一部屋毎に作業をしよう。
まとめてできないかと考えたが、無理そうだった。
「よっと。最初は楽勝かと思ったけど、意外と疲れるぞ」
収納と出すのは一瞬だから、簡易倉庫に置いたらどこのものか分かるようにしておけばいい。
お屋敷と倉庫をひたすら往復するのが、とにかく疲れる。
それでも、お昼までにはなんとか半分の部屋の荷物を運び出した。
「サトーよ、だいぶ疲れているのう」
「アイテムボックスに出し入れするだけだと思ったんですが、お屋敷と倉庫の往復が辛いです」
「そればっかりはどうしようもない。諦めるのじゃ」
「ですよねー」
昼食時にビアンカ殿下からも疲れた様子を心配されたが、話をしたらどうしようもないと匙を投げられた。
ちなみに子ども達は目の前の食事に夢中になっていて、俺が疲れているのに全然気がついていなかった。
子ども達もそれぞれやることがあるし、エステル殿下やリンさん達も忙しいので、午後も一人で頑張って荷物運びをすることに。
拘置所代わりの部屋に入ると、襲撃者達から「何やっているんだこいつ?」という目で見られていた。
見方によっては、大規模窃盗犯だもんな。
三時頃になると荷物運びも大体一段落したので休憩をしていると、ミケとミケに抱かれたスラタロウがこちらにやってきた。
「お兄ちゃんお疲れ」
「ミケもお疲れ。まだ街に潜んでいるのが多いな」
「そうなの。まだいそうだから、明日もパトロールするよ!」
午後になっても数人捕まえてきたけど、もう少し残党がいるのか。
早く犯罪者を一掃しないと、治安が良くならないな。
そう思っていたら、何故かミケがニヤニヤしていた。
気のせいか、スラタロウもニヤニヤしている気がする。
「お兄ちゃん、スラタロウが凄い魔法をするよ。見ていて!」
どうもスラタロウが新しい魔法を考えたようだ。
ミケはヘレーネ様と何か話をしていたと思ったら、お屋敷の敷地の隅の方にスラタロウと共に移動した。
「ミケちゃんとあのスライムは、一体何をするのでしょうか?」
「うーん、この二人が絡んでいるということは、常識外の事が起こると思いますよ」
ヘレーネ様とダニエル様も一緒に、ミケとスラタロウの様子を見ていた。
どうも準備は完了したようだ。
「ふふふ、お兄ちゃんビックリして腰を抜かすよ」
どうもミケとスラタロウは自信満々の様だ。
スラタロウが、庭の空いているスペースに魔法を唱えた。
「まさか、ありえないです」
「そんな、こんな事が起きるとは」
ヘレーネ様とダニエル様は、目の前で起こった事が信じられないようだ。
俺も開いた口が塞がらない。
「ふふーん、スラタロウの新魔法だよ!」
ミケは自信満々に答えていた。
俺の目の前には、何故か旅館が現れていた。
そして、スラタロウは更に小さめの一軒家を二つ出現させた。
「これは、アイテムボックスの応用か? しかしこんなバカでかいものって、普通収納できるのかよ」
俺のつぶやきに、スラタロウがふるふる揺れていた。
タネを明かせば簡単だが、こんなバカでかいのを俺はアイテムボックスに収納できる余裕がない。
というか、この三つの建物はどうしたんだ?
「ミケ、この建物は一体どうしたんだ?」
「壊す予定だった空き家だって。ちゃんとミケが買ったんだよ」
と、ミケが契約書を見せてくれた。
ミケの物に加えてビアンカ殿下のサインもあるから、おそらくちゃんとした契約書だろう。
「流石にサトーも驚いたようじゃのう」
「目の前に家が現れたら、そりゃ驚きますよ。まさかアイテムボックスを、こんな使い方するなんて思ってもなかったですよ」
俺の後ろからビアンカ殿下が現れた。
ニヤニヤしていると言うことは、ミケとスラタロウに一枚かんでいるのだろう。
何事かと思ったのか、他の人も集まっては度肝を抜かれていた。
まずは旅館に入る。
埃っぽかったので生活魔法で綺麗にしたら、全く問題のない生活空間が広まっていた。
狭いけど部屋数は二十位だから、侍従達の部屋には問題ないだろう。
一軒家は少し補修が必要だけど台所にお風呂もあるから、建て直すまでの間の仮宿には問題無いだろう。
「ヘレーネ様にダニエル様。建て直しが終わるまでの仮宿ですが、こんなのでいいですか?」
「いいも何も、これは予想以上です」
「これなら、直ぐに仕事も始められます」
二人は未だに目の前に現れた建物の衝撃にビックリしていたが、それと同時に喜んでくれた様だ。
建物の中を色々見てまわっていた。
家具とかはないけど、これは今日運んだ荷物を配置すれば大丈夫だろう。
「いやあ、いきなり家が出てきたからビックリしたよ」
「俺だって驚いてますよ。でも屋根とかを修復すれば、当面は住む場所に困らないですね」
「ちゃんとした住む家があるのは大事だよ」
「でも今まで大きなお屋敷に住んでいたのに、ありあわせの家で大丈夫ですか?」
「あの二人は官舎に住む予定だったし、問題ないでしょう」
エステル殿下が大丈夫といったなら、問題ないだろう。
俺は明日一日建物の修繕になるかな。
魔獣から戻った人へのテントもできたけど、庭のそこら中がテントだらけになってしまった。
早いうちに、人々をゴレス侯爵領とかに送っていかないと。
「こ、これがスライムが作った料理!」
「とても美味しいですよ」
ダニエル様の歓迎もあって、またもやスラタロウが夕食を張り切っていた。
何でも家を見ていたときに市場で魚を見つけたので、ムニエルにしていた。
まさかこんな所でムニエルが食べられるなんて思ってもみなかったらしく、とても好評だった。
「私達も食べていいのでしょうか?」
「勿論です。兵の分もありますから、全く問題ないですよ」
アメリア様達は豪華な食事を遠慮しようとしていたが、座らせて食べてもらった。
ちなみに弟君達は、ララ達と一緒においしいと笑顔で食べてくれていた。