「妾はこの国の第八王女、ビアンカじゃ。妾腹で王位継承権も低い。そう構えることはないぞ」
「妾は、冒険者の街として発展しておるバルガス卿の所に視察に行く途中じゃ。王都にも冒険者ギルトはあるとはいえ、この国ではバルガス卿の所が最も大きい。妾は王位継承権は低いが王族ゆえ、国の為に色々な知見を得たいのじゃ」
「ご立派です、殿下。このバルガス感動いたしました」
「お姉ちゃんすごい!」
「ふふーん、ミケよ。妾はすごいか?」
「うん! お姉ちゃんかっこいい!」
「ほほ、ミケに褒められると悪い気がせぬぞ」
うん、まだ小さいがしっかりしたお姫様だ。
でも、ミケとも随分と仲良くなったものだ。
バルガス様が補足してくれたが、殿下はまだ八歳。しかしながら一生懸命に勉強しているという。
既にお母様はご病気でお亡くなりになっているそうだが、少なくとも影がある様子は見受けられない。
王宮内でも聡明なお姫様として名高いらしいが、妾腹の為に王宮内の味方が少ないらしい。
その数少ない味方の一人がバルガス様で、お姫様が小さい頃から面倒を見ていたらしいが……
おやあ、何かきな臭いなあ……
首尾よく姫様とバルガス様が揃ったところでの、このゴブリンの襲撃。
この街道は、普段は安全な所と隊長さんも言っていた。
もしかして、何か裏があるのかな……
ビアンカ殿下とミケが戯れているのを、バルガス様と見守りながらそんなことを考えていると、シルが袖をくいくいと引っ張った。
「主人、悪意がなかったため報告遅れたが、あそこに一匹のスライムがいるぞ。どうする?」
「えーっと。お、確かにスライムだ。初めてみたぞ」
「え、スライム? ミケも見たい!」
さっきゴブリンを解体した際に出た血などを、一匹の透明だけど薄い青色のスライムが吸収していた。
体内に血を吸収している為なのか、シュワシュワーっと泡が出ていた。
ゲームなどで知っているスライムよりかは、ちょっと柔らかそうだ。
「主人、スライムは森の掃除屋と言われておるぞ。ああいった魔物や動物の死骸などを消化しているぞ。力もなく臆病なので、スライムから攻撃することはまずないぞ」
シルが解説してくれたが、森の掃除屋さんなのか。どうしても前世のスライムのイメージが強い。
「お兄ちゃん。このスライム逃げないよ」
ミケがスライムを抱き上げても、全く逃げる気配がない。
これはもしかして……
スライムが仲間になりたそうにこちらを見ている……。なのかな?
「スライム。仲間になりたいのか?」
ふよんふよん。
「一緒にくる?」
ふよんふよん。
おお、スライムが言葉に反応したよ。どうやら仲間になりたそうだ。
「じゃあ名前をつけてあげないと。ミケがつけてあげる。えーっと」
ミケが名前をつけてくれる様だ。どんな名前かな?
「スラ○ンなんてどう?」
「「ミケ、その名前はダメ!」」
「えー」
俺とシルのダブルツッコミが入って、ミケは不満そうだが、その名前はあかんで。
スライムもぶるぶる震えて拒否している。
「じゃあ、スラタロウで」
無難な名前が一番でしょう。
スライムもふよんふよんと反応しているので、大丈夫そうだ。
「スラタロウ、これからよろしくね!」
ミケはスラタロウが仲間になった事がとても嬉しいみたいだ。
シルも尻尾を振っている。
スラタロウが仲間になった!
「……のう、バルガス卿よ。魔物が自分から仲間になったぞ」
「はい殿下。しかも魔物との契約も無しです」
「サトー殿は大物かもしれんぞ」
「私めもそう感じております」
あれ? 後ろの高貴な人たちが何か不穏な事を言っているぞ。
「妾は、冒険者の街として発展しておるバルガス卿の所に視察に行く途中じゃ。王都にも冒険者ギルトはあるとはいえ、この国ではバルガス卿の所が最も大きい。妾は王位継承権は低いが王族ゆえ、国の為に色々な知見を得たいのじゃ」
「ご立派です、殿下。このバルガス感動いたしました」
「お姉ちゃんすごい!」
「ふふーん、ミケよ。妾はすごいか?」
「うん! お姉ちゃんかっこいい!」
「ほほ、ミケに褒められると悪い気がせぬぞ」
うん、まだ小さいがしっかりしたお姫様だ。
でも、ミケとも随分と仲良くなったものだ。
バルガス様が補足してくれたが、殿下はまだ八歳。しかしながら一生懸命に勉強しているという。
既にお母様はご病気でお亡くなりになっているそうだが、少なくとも影がある様子は見受けられない。
王宮内でも聡明なお姫様として名高いらしいが、妾腹の為に王宮内の味方が少ないらしい。
その数少ない味方の一人がバルガス様で、お姫様が小さい頃から面倒を見ていたらしいが……
おやあ、何かきな臭いなあ……
首尾よく姫様とバルガス様が揃ったところでの、このゴブリンの襲撃。
この街道は、普段は安全な所と隊長さんも言っていた。
もしかして、何か裏があるのかな……
ビアンカ殿下とミケが戯れているのを、バルガス様と見守りながらそんなことを考えていると、シルが袖をくいくいと引っ張った。
「主人、悪意がなかったため報告遅れたが、あそこに一匹のスライムがいるぞ。どうする?」
「えーっと。お、確かにスライムだ。初めてみたぞ」
「え、スライム? ミケも見たい!」
さっきゴブリンを解体した際に出た血などを、一匹の透明だけど薄い青色のスライムが吸収していた。
体内に血を吸収している為なのか、シュワシュワーっと泡が出ていた。
ゲームなどで知っているスライムよりかは、ちょっと柔らかそうだ。
「主人、スライムは森の掃除屋と言われておるぞ。ああいった魔物や動物の死骸などを消化しているぞ。力もなく臆病なので、スライムから攻撃することはまずないぞ」
シルが解説してくれたが、森の掃除屋さんなのか。どうしても前世のスライムのイメージが強い。
「お兄ちゃん。このスライム逃げないよ」
ミケがスライムを抱き上げても、全く逃げる気配がない。
これはもしかして……
スライムが仲間になりたそうにこちらを見ている……。なのかな?
「スライム。仲間になりたいのか?」
ふよんふよん。
「一緒にくる?」
ふよんふよん。
おお、スライムが言葉に反応したよ。どうやら仲間になりたそうだ。
「じゃあ名前をつけてあげないと。ミケがつけてあげる。えーっと」
ミケが名前をつけてくれる様だ。どんな名前かな?
「スラ○ンなんてどう?」
「「ミケ、その名前はダメ!」」
「えー」
俺とシルのダブルツッコミが入って、ミケは不満そうだが、その名前はあかんで。
スライムもぶるぶる震えて拒否している。
「じゃあ、スラタロウで」
無難な名前が一番でしょう。
スライムもふよんふよんと反応しているので、大丈夫そうだ。
「スラタロウ、これからよろしくね!」
ミケはスラタロウが仲間になった事がとても嬉しいみたいだ。
シルも尻尾を振っている。
スラタロウが仲間になった!
「……のう、バルガス卿よ。魔物が自分から仲間になったぞ」
「はい殿下。しかも魔物との契約も無しです」
「サトー殿は大物かもしれんぞ」
「私めもそう感じております」
あれ? 後ろの高貴な人たちが何か不穏な事を言っているぞ。