その子は、はははと笑いながら

「すまない、驚かせてしまったかな。なんせ、珍しいものだからね。」

そう言って楽しそうに近づいてきた。私の目の前までくると手を後ろで組んで

「たまにいるのだよ、上の連中が間違って、君みたいに連れてこられる子が」

やれやれと言うようにため息をつく。なのにどこか楽しそうだ。

私はおずおずと口を開く

「えっと、あなたはいったい?ここはどこなん.....ですか?」

その子の大人っぽい口調に気圧されて自然と敬語になってしまう。
その子はまた、はははと笑いながら

「これは礼儀正しい子だなぁ!大体の人間は私のことを子供扱いするからね。君、気に入ったよ。」

そう言って私の肩をぽんぽんと叩く。

「ありがとうございます...?」

見た目とのギャップが激しいせいでなんだかすごく変な感じがする。

「初めまして、私の名はミヤザワ。えーと、ここがどこかだったかな?」

そう言いながらその子はベンチに座るよう促してくれた。

「ここは銀河ステーション。君たち人間が星になるため、即ち亡くなってから銀河鉄道に乗るための駅だよ。」 

「え!私、死んじゃったんですか?元の場所に帰れないんですか?」

矢継ぎ早に私は質問する。

だってこのまま死んじゃったなんて、未練しかない!

「まあまあ、落ち着いて。さっきも言っただろう?君は間違って連れてこられたって。ちゃんと元の場所に帰れるよ」

「良かったぁ」

安心して肩の力が抜けた。ミヤザワさんがふふと笑いながら立ち上がって私の手を取る。

「今、係の者に連絡して帰してもらうからね.....って、君.....」

ミヤザワさんが急に黙りこんで私の目を見つめてきた。

「あの?ミヤザワさん?」

ミヤザワさんはぶつぶつと何かを呟きながらだんだんと口角が上がっていった。

「やっぱり、君は帰さないことにした!!ここで働いてもらおう!!」

「え!そんな....なんで??」