秋斗くんと春陽くんとはるくん。
同じ魂を持つ兄弟がこうして出会えて、互いに信じ合って、そして今に繋がっている。
その全てが奇跡なんだ。

言葉にならない感情がこみ上げてくる。
今の奇跡のような瞬間が、まるで夢のようにも感じた。
でも、それは紛れもない事実、抱いていた願望に間違いはない。
そう思ったら、何か熱いものが私たちの胸の中を駆け抜けていった。

「うっ……うううぅぅ……。秋斗くん、春陽くん、良かった!!」
「うああああん!! あきくん、はるくん、大好きだよー!!」

私とねねちゃんは溢れる感情のままに、秋斗くんと春陽くんに勢いよく抱きついた。
私たちは顔を押し当てて泣きじゃくる。

「雫、ねねちゃん」

秋斗くんが私の髪を、春陽くんがねねちゃんの髪をゆっくりと撫でる。
その感触は、はるくんと同じような、甘く優しく胸を締めつける心地がした。

「てーか、黙っていてごめんな。なかなか、うまくいかなくてさ。完全に魂が分かれてから話そうと思ったんだ」

春陽くんの声があまりにも優しすぎて、私たちはさらに涙が溢れてきそうになった。

もう、星に願わなくたっていい。
無理に繋ごうとしなくていい。
忘れることのない約束は、私たちの間に今も確かにあるから。

初めて秋斗くんと春陽くんと出逢ったときのような衝撃は――胸を苦しくさせるほど、強いものへと変わっていた。
だから、これから先、あなたたちとの時間が当たり前になるように。
春が来るたび、私はあの色を思い出す。
鮮やかに見えるもの、全てを包みこむ……はるくんの色を。



『しずちゃん。俺はさ、生まれてから死ぬまでの間に、しずちゃんに出会えて幸せだったよ』



はるくんの強い言葉が心の中で甘くリフレインする。



『幸せになって。俺の大好きな人』

「幸せになるよ。私の大好きな人」


過去を認めて、過去を愛して、過去を抱きしめて。


【完】