「篠宮雫さん。僕は春陽に負けないくらい、あなたのことが好きです。あなたと、これからの人生を共に歩いていきたい」
「……秋斗くん」

自然と笑顔と涙が溢れていく。
続けて、秋斗くんが口にした言葉を私は一生忘れない。

「僕は、あなたの震える魂の音色に触れてしまったから」
「……っ」

その瞬間、唇に柔らかな熱が触れた。
涙が止まらない。
……好きだ。
あの遠い遠い春の日から、ずっとずっと。
そして、これからだって。
ずっと、あなたたちだけを。とこしえの想いをこの胸に。
明日になれば、また、あなたたちに会えるかもしれない。
でも、絶対という保証はどこにもない。
だから――。
そんなあなたたちに。
心から笑って欲しいと願った日から。
きっと恋に落ちていた。
愛おしくて、切なくて……泣きたくなる日もある。
でも、私の生まれてきた意味が『特別なあなた』に出逢うことなら。
それだけで強くなれる気がするの。
だから私、あなたたちに約束する。
何があっても、絶対に逃げないって。
もう二度、大切な人を忘れないって。

「……ありがとう。私はどこにいても、世界中で一番……『あなた』のことが大好きだよ」

落涙に似たつぶやきの中に、私は止めどなく溢れる感謝の涙を紛れ込ませた。