「うっせー!
オマエが死んだら俺が消えるからであって、別にオマエのためじゃねぇんだからな!
ま、まんがの続きが気になるし!」

とうとう足まで使って引き剥がされ、仕方なく彼から離れる。

「はいはい。
そういうことにしておくよ」

「そういうこともどういうこともねぇんだよ!」

伶龍がキレ散らかし、祖母も威宗も笑っていた。

今日は穢れ討伐に成功し、除染も必要ないので柴倉さんからのお叱りもなく……嘘です。
伶龍共々、いつもどおりお説教をされた。

「ええ、ええ。
戻ってきたならいいんですよ、戻ってきたなら。
でも、修行に行くなら行くと、ひと言あってもよかったんじゃないですかね」

柴倉さんの前にふたり揃って正座する。
彼の言い分には私も同意だった。

「……修行に行くとか恥ずかしくて言えねーだろうがよ」

そっぽを向き、耳をほじりながら伶龍が興味なさそうに言う。
途端にはぁーっと、柴倉さんの口から当たりを真っ黒に染めそうなほど陰鬱なため息が落ちた。

「いったい、あなたの捜索にいくら使ったと思っているんです?
どれだけの人数があなたひとりのために動いたと?」