開けようとしたがつっかえ棒でもしたのか、もうふすまは開かなかった。
今のところ穢れは出現していないからいいが、これで任務となったら本当に上手くいくのか心配だ。



「おはよーございまーす……」

五時起きはさすがに眠くて、頭をぐらぐらさせながら食卓に着く。

「なんだい、眠そうな声を出して」

「だって眠い……」

力尽きてテーブルに突っ伏した私とは違い、祖母はしゃんと背筋を伸ばしてお茶を飲んでいた。

「さっさと茶でも飲んで目を覚ましな」

「そうする……」

頼んでもないのにすかさず威宗がコーヒーの入ったカップを置いてくれる。
本当に気の利く刀だ。
その反面、私の刀はといえば。

コーヒーを飲みながら、斜め後ろに立つ伶龍をちらり。
ヤツは相変わらずネクタイを緩めて第二ボタンまで外し、間抜けな大あくびをしていた。
もうきっちり身支度し、祖母どころか私の世話まで焼いてくれる威宗の爪の垢を煎じて飲ませたい。

ようやく目も覚め、祖母と一緒に拝殿へと向かう。
刀を授かり日課が増えた。
それが朝のお伺いだ。

祭壇の前に立つ祖母の後ろに正座で座る。
伶龍も渋々ながら隣に座った。