ちらっと雪永をうかがったら、はぁっと呆れるようにため息を落とされた。

「おふたりで行ってきてください。
私は馬に蹴られたくないですからね」

「やった!
翠とふたりで海外だ!」

伶龍は大喜びでつい、笑ってしまう。
これからはずっと一緒だよ。
私の命が尽きる、そのときまで――。


【終】