「ありがとうございます」
そのうち柴倉さん――柴倉Jr.が顔を出した。
前に担当していた柴倉さんは定年退職し、なんの因果か今は柴倉さんの息子が担当している。
「それで。
翠さんグッズの件、考えてくれましたか?」
にっこりと柴倉さんは笑ったが、どこからどう見ても胡散臭い。
「あー、いやー……」
私は歯切れが悪いが仕方ない。
企業からのオファーがあり、巫女と刀のグッズを作らないかと柴倉さんから提案されたのは、つい先日の話だ。
デビューしたての頃は史上最低の巫女だなんだと散々だった私だが、特異型大穢れ討伐から英雄扱いされていた。
実績が伴わなければ虚しいだけだが、雪永とペアを組んでからも連戦連勝。
ヘマをやって汚染液をまき散らしたりもしていない。
半ばアイドル扱いされ、グッズ化を断ること多数。
しかし彼は諦めないらしく、すぐに次の話を持ってくる。
「それはお断りします……」
「それは残念です。
気が変わったらすぐに言ってくださいね!」
ぎゅっと私の手を握り、うんうんと頷いて彼は去っていった。
「……しつこい」
私の口からため息が落ちていく。
そのうち柴倉さん――柴倉Jr.が顔を出した。
前に担当していた柴倉さんは定年退職し、なんの因果か今は柴倉さんの息子が担当している。
「それで。
翠さんグッズの件、考えてくれましたか?」
にっこりと柴倉さんは笑ったが、どこからどう見ても胡散臭い。
「あー、いやー……」
私は歯切れが悪いが仕方ない。
企業からのオファーがあり、巫女と刀のグッズを作らないかと柴倉さんから提案されたのは、つい先日の話だ。
デビューしたての頃は史上最低の巫女だなんだと散々だった私だが、特異型大穢れ討伐から英雄扱いされていた。
実績が伴わなければ虚しいだけだが、雪永とペアを組んでからも連戦連勝。
ヘマをやって汚染液をまき散らしたりもしていない。
半ばアイドル扱いされ、グッズ化を断ること多数。
しかし彼は諦めないらしく、すぐに次の話を持ってくる。
「それはお断りします……」
「それは残念です。
気が変わったらすぐに言ってくださいね!」
ぎゅっと私の手を握り、うんうんと頷いて彼は去っていった。
「……しつこい」
私の口からため息が落ちていく。