「薄々気づいてるでしょ?俺も“君も”幽霊になんだって」
「は…?」
本当に何を言ってるんだろう。
自分だけに留まらず、私まで幽霊だって?
「だって、私は余命宣告を受けたけど、それだってまだ時間があるはず…」
「ううん…。君はね、診断を受けて一ヶ月で身の回りを整理して、それからすぐに亡くなったんだよ。
俺たちが今日で死んで四十九日。俺たちの生末が決まる日だ」
夜空を見上げていたはずの彼が、いつの間にか私の目の前に来ていた。
幽霊は足がないというのはお約束であろう。
例に漏れず私も足を確認してみると、私も彼も足が透けて下のコンクリートが見えていた。
彼がずっと足を外に向けて座っていたのは、これを隠していたのか。
私が現実を見るまで、隠し続けてくれていたのか。
でも四十九日の日が来て、待っていられなくなったと。