私はただ、誰かに知って欲しかった。
私みたいな人もいるんだって。
体と心が違って、手術を受けて生まれ持った体じゃなくなっても、それでもちゃんと生活して生きてるって。
受け入れてくれなくてもいいから、遠くから見守ってくれるだけでよかったんだ。
そう言って涙でグチャグチャになった私を、彼は優しく抱きしめる。
「大丈夫だよ、君は十分頑張ったから。
来世では俺がいるから。俺が目一杯甘やかして大切にして、幸せにするよ」
「うん…っ、うんっ」
この人なら大丈夫だと思えた。
今世は誰にも受け入れられず、誰も受け入れようとしなかった私だけど、この人なら。