休み時間になると、アルテミス、リベルタ、ティリット、セレネの四人は校舎内を散策していた。

そんな時、遠くから慌ただしい教師たちの話し声が聞こえてくる。

「校長の時計が盗まれたって、本当か?」

「そうらしい。ドアも窓も開いていないのに、どうして時計だけが消えたのか、全く見当がつかない」

四人は足を止め、声のする方へと近づいた。

四人が校長室の前にたどり着くと、そこには校長が深刻な表情で立っていた。

「このたびは、誠に遺憾ながら、私の大切な時計が盗まれてしまいました」

校長は声を震わせながら言った。

「時計は私の家宝であり、この学園にとっても重要なものです。どうか、犯人を見つけ出す手助けをお願いしたい」

その言葉はすぐに学園中に伝わり、校内は緊張感に包まれた。
だが、名探偵の子孫として期待されるアルテミスとリベルタには、真っ先に疑いの目が向けられてしまう。

「私たちは無実です」

アルテミスが強い意志を込めて言うと、リベルタも静かにうなずいた。

「必ず真犯人を突き止めて、潔白を証明しましょう」

その頃、校長室の周囲では不審な人物を見かけたという目撃情報や、説明のつかない足跡の報告が相次ぎ、疑惑はますます膨らんでいった。