夜の帳が下りたアンソレイエ学園。
生徒たちの声も消え、校舎は静まり返っていた。
図書室での発見を経て、四人は月明かりを頼りに、記念塔へと足を踏み入れた。
「ここまで来ると、本当に探偵ごっこって感じだな」
ティリットが小声で言うと、セレネが笑う。
「ごっこじゃないわ。本物の探偵よ、今はね」
塔の扉は固く閉ざされていたが、セレネが取り出したのは、用務員室から借りてきた合い鍵の束。
「じゃ、開けるわよ」
カチリ、と静かな音がして、古びた扉が軋みながら開いた。
中はひんやりとした空気に包まれていた。石造りの階段を上りながら、四人は壁に描かれた模様や扉を確かめていく。
リベルタが持つスケッチには、塔の最上階天井にMの印があると記されていた。
塔の最上階。小さな窓から月明かりが差し込む中、天井の一角に確かにMの刻印があった。
「これだ、スケッチと同じ場所だ」
リベルタがつぶやき、踏み台に乗って刻印に手をかける。
その瞬間、カチリという音とともに、天井の一部がわずかにずれた。
「仕掛け扉……?」
アルテミスが驚いたように言う。
リベルタが慎重に扉を開くと、そこには黒い布に包まれた小さな箱が収まっていた。
中には懐中時計と、小さな金属製のペンダントが入っていた。
「これ、校長の時計?」
ティリットが恐る恐る箱を覗き込む。
リベルタは懐中時計を取り出し、光にかざして眺めた。
「いや、違う。これは偽物だ」
「え?」
セレネが眉をひそめると、リベルタは時計の裏蓋をそっと開き、中を見せた。
「機構が雑だ。これは外見だけ本物に似せて作られた、いわばダミーの時計だよ」
「となると、本物の時計は、まだどこかに隠されている可能性が高いってこと?」
アルテミスが言うと、リベルタは小さくうなずいた。
「これはミスリードだ。最初から誰かが、この時計が盗まれたと思わせるように仕向けていたんだ」
「犯人は、記念塔の存在や、1924年の暗号を知っていたって事ね」
セレネの声に、静かな緊張が漂う。
「つまり、内部の人間。学園の歴史とこの場所の意味を知っている誰か」
「そして、あの懐中時計を時の象徴として使い、学園の記念と絡めてこの事件を作り上げた」
アルテミスの声に、三人の視線が交錯する。
その時、塔の下の階でギィ……という扉の開く音が響き、四人は息を止める
生徒たちの声も消え、校舎は静まり返っていた。
図書室での発見を経て、四人は月明かりを頼りに、記念塔へと足を踏み入れた。
「ここまで来ると、本当に探偵ごっこって感じだな」
ティリットが小声で言うと、セレネが笑う。
「ごっこじゃないわ。本物の探偵よ、今はね」
塔の扉は固く閉ざされていたが、セレネが取り出したのは、用務員室から借りてきた合い鍵の束。
「じゃ、開けるわよ」
カチリ、と静かな音がして、古びた扉が軋みながら開いた。
中はひんやりとした空気に包まれていた。石造りの階段を上りながら、四人は壁に描かれた模様や扉を確かめていく。
リベルタが持つスケッチには、塔の最上階天井にMの印があると記されていた。
塔の最上階。小さな窓から月明かりが差し込む中、天井の一角に確かにMの刻印があった。
「これだ、スケッチと同じ場所だ」
リベルタがつぶやき、踏み台に乗って刻印に手をかける。
その瞬間、カチリという音とともに、天井の一部がわずかにずれた。
「仕掛け扉……?」
アルテミスが驚いたように言う。
リベルタが慎重に扉を開くと、そこには黒い布に包まれた小さな箱が収まっていた。
中には懐中時計と、小さな金属製のペンダントが入っていた。
「これ、校長の時計?」
ティリットが恐る恐る箱を覗き込む。
リベルタは懐中時計を取り出し、光にかざして眺めた。
「いや、違う。これは偽物だ」
「え?」
セレネが眉をひそめると、リベルタは時計の裏蓋をそっと開き、中を見せた。
「機構が雑だ。これは外見だけ本物に似せて作られた、いわばダミーの時計だよ」
「となると、本物の時計は、まだどこかに隠されている可能性が高いってこと?」
アルテミスが言うと、リベルタは小さくうなずいた。
「これはミスリードだ。最初から誰かが、この時計が盗まれたと思わせるように仕向けていたんだ」
「犯人は、記念塔の存在や、1924年の暗号を知っていたって事ね」
セレネの声に、静かな緊張が漂う。
「つまり、内部の人間。学園の歴史とこの場所の意味を知っている誰か」
「そして、あの懐中時計を時の象徴として使い、学園の記念と絡めてこの事件を作り上げた」
アルテミスの声に、三人の視線が交錯する。
その時、塔の下の階でギィ……という扉の開く音が響き、四人は息を止める

