「今日はありがとう。すごーく楽しかった」
「俺も」
「あ、とね……」
高野が一度、言葉を切り、視線を足元に落とした……。
束の間の沈黙……。
まだ少し肌寒く感じる三月の風が俺と高野の髪の毛や服の袖や裾を優しく撫でて、通り抜けた……。
「……おしまい」
「えっ……」
「今日で付き合うのは終わり。携帯電話の電話番号とアドレス……それと、これまでにやり取りしたメールも全部削除したから……駿くんもそうしてね」
「えっ、でも……まだ三日あるんだそっ⁉」
突然のことに俺は素っ頓狂な声を上げてしまった……。
「うん。だけど、もう十分だよ。十分過ぎるくらい……私のわがままに付き合ってもらったから……」
「けど……」
「いいの。この一ヶ月間……私にとっては夢のようだった……。本当に楽しかった。駿くん……いろいろとありがとうね」
「……高野……」
「……バイバイ」
ニコッ…と、笑うと高野は足早に歩き出した。
「ちょっ……た、かのっ⁉」
俺は去っていこうとする高野の腕を掴もうと手をのばすも……その手は空を掴むだけだったーー……。
「俺も」
「あ、とね……」
高野が一度、言葉を切り、視線を足元に落とした……。
束の間の沈黙……。
まだ少し肌寒く感じる三月の風が俺と高野の髪の毛や服の袖や裾を優しく撫でて、通り抜けた……。
「……おしまい」
「えっ……」
「今日で付き合うのは終わり。携帯電話の電話番号とアドレス……それと、これまでにやり取りしたメールも全部削除したから……駿くんもそうしてね」
「えっ、でも……まだ三日あるんだそっ⁉」
突然のことに俺は素っ頓狂な声を上げてしまった……。
「うん。だけど、もう十分だよ。十分過ぎるくらい……私のわがままに付き合ってもらったから……」
「けど……」
「いいの。この一ヶ月間……私にとっては夢のようだった……。本当に楽しかった。駿くん……いろいろとありがとうね」
「……高野……」
「……バイバイ」
ニコッ…と、笑うと高野は足早に歩き出した。
「ちょっ……た、かのっ⁉」
俺は去っていこうとする高野の腕を掴もうと手をのばすも……その手は空を掴むだけだったーー……。