「おはよう、桃空。」
「おはよ、お父さん。お兄ちゃんも。」
なんとも思わないから、儀式的な感じでさらっと返す。

「……?どうした、桃空体調悪いのか?」
お父さんが私の冷めた声に違和感を持ったのか読んでいた新聞をたたんで尋ねられた。

……あぁ、なるほどね。
悪魔との契約は皆知らないのか。

まぁ、家族は心配かけたくないし感情を作るぐらいしておくことにしよう。

……どうやらこういう一般常識的な感情は残っているようだった。

時間とかも守らないとって思うし、家族は大切な人だっていう認識は残っている。