「もちろん、いいよ。代償があってもいい。お願いだから私の感情を消して。」

闇に向かってはっきりと告げた。

……代償なんて、構わない。
それ以上にもう傷つきたくなんてないし、なにより期待をしたくない。

だから……だから…っ!!

『ふふ…っ。いいわ、叶えてあげましょう。明日の朝目覚めればあなたの感情はすべて消え、どんなこともなんとも思わなくなるでしょう。……では、さようなら。またいつか感情の消えたあなたの前に現れるわ。響川桃空さん。』

最後まで残酷な冷たいほほえみをこぼしながらスーッと消えていった。


多分これで……、私は感情に振り回されなくなるんだ。
そう思うと少し、いや相当ホッとした。 


まさか…代償がこんなものだなんて……、このときは思いもしなかった。