「なにもないよ?ただ眠たくて、頭がぼんやりしてるだけー。」
「そうか…?」

「うん。大丈夫だから心配しないで。」
なんとか口角を上げようとするが、びくびく震える。

「そうそー、桃空はいつも朝はぼんやりしてるだろー?心配いらねーだろ。」
とソファーでテレビを見ていたお兄ちゃんが口を挟んでくる。

「うん。だから、大丈夫だよ。」

「……。そうか。」
まだ疑わしそうな目で見ていたが、気づかないふりをしてテレビに視線をそらした。