人前で嫌われないように偽りの笑顔を作っていて

 家族にも本音をぶつけることはできなくて

 「大丈夫?」と聞かれたら「大丈夫」としか言えなくて

 何もできない自分が嫌で嫌でたまらなくて

 けれど一歩踏み出すのが怖かった。


 “ずっと笑顔でいてね。約束だよ”

 お母さんとの約束を守れば守るほど

 『もう消えてしまいたい』

 そんな気持ちを自分の心の奥底に秘めていることを知った。


 そんなときに、奇跡の出逢いは訪れた。

 あの日あの場所で、初めて私と似ている人と出会ったんだ。


 胸が張り裂けそうな夜も、幸せを感じるときも

 いつも傍にいてくれたのは、あなただった。


 だから、もう迷わない。
 
 あなたが私から離れていっても、

 私は絶対に離れない。

 
 あなたの暗闇を、私が照らしてあげたい。

 出会ったときの本物の笑顔を見せてほしい。


 この出会いは、きっと意味があるものだから。

 今度は、私があなたを救う番なんだ――。