いつの間にか居眠りをしていたらしい。

 図書館の窓から差し込む秋の穏やかな日差しが陰って僕は目を覚ました。

「ねえ、もしかして、小説書いてるの?」

 横から声をかけられ、僕は慌てて書きかけのメモを手で覆った。

「隠さなくたっていいじゃん。読ませてよ」

 夢……じゃないよね。

 それが僕と彼女との出会いだった。