ルフォンとテユノの戦いは熱戦であったがそれ以外は2人がそれぞれ圧勝。
リュードも特に苦戦する相手もいなかった。
そのために今年は子供部門があっさりと終わってしまった。
なので時間に余裕ができてしまったので大人女性部門も最後まで開催されることになった。
例によってリュードは炊き出しをいくつか持って木の上にいた。
人波をかき分けて観戦するよりこちらの方が楽なのだ。
リュードは子供部門でも優勝するので周りから声をかけられることも多くて観戦に集中もできないのである。
それに今年はルフォンとのことを聞きたがる人もいる。
前の年まではリュードのことを見つけたルフォンも同じく木の上で一緒に観戦していたのだけど今年はリュード1人である。
遠視の魔法を使って女性大人部門の戦いを観戦する。
最初こそは食べたり見たりとバランスを保つのにも必死だった。
けれど竜人の身はバランス感覚も優れていて比較的すぐ木の上も慣れてきて、近くの枝に上手く皿を乗せて器用に観戦しながら食事を取ることも出来るようになっていた。
リュードは毎年出る肉の串焼きが好きで今も10本ほど確保している。
今年の優勝者は誰なのか予想するのは毎年の話題の中心となっている。
いつもだと同じ名前が上がるのだけどくじ引きで決められたトーナメント表から考えるとひょっとしたらひょっとしての可能性をリュードは感じた。
メーリエッヒとルーミオラは同じ山で、ルフォンは反対の山にくじ引きで決まった。
となれば上手くルフォンが勝ち抜いていけば決勝で優勝候補のメーリエッヒとルーミオラどちらかと当たることになる。
しかトーナメント表を見るとメーリエッヒとルーミオラが当たるのは準決勝。
つまりルフォンが決勝まで行くことができたなら優勝候補ともなっている2人が戦った後に決勝で当たることになるのだ。
戦いの流れにもよるがメーリエッヒとルーミオラは多くの場合かなり競り合った戦いを演じる。
当然に戦いが終わった後は大きく疲労していて、キレッキレのルフォンならイケるのではと思える。
楽しみ方としてリュードは単に応援するだけでなく試合前の立ち振る舞いや対峙の仕方からどっちが勝ちそうか予想してみている。
「ふーむ……これからニツさんかな? 押してるように見えてるけど……あっ、やっぱり」
他の人は賭けもやっていて好きな人だったり勝ちそうな人となんとなくで賭けるのだがリュードはそう言った先入観をできるだけ排して見た感じから戦力を予想する。
見た目で相手の実力をある程度予想できることもまた必要な能力だ。
これがまた難しくて正解率は良くて7割、精々6割ほどと高くはない。
堂々としているように見えてガチガチに緊張していたり見た目では気弱そうでもいざ戦いが始まれば人が変わったように攻め立てたりと予想に反することも多い。
見た目上の印象では測れない強さがあってなかなか面白い。
今は槍を持った女性が双剣を構える女性を攻め立てているのだがリュードは攻められている双剣の女性が勝つと睨んでいた。
一見すると槍の女性が優位に見えるのだけど双剣の女性は攻撃を防ぎながら反撃の隙を鋭い目でうかがっていた。
一瞬の隙をついて双剣の女性が槍の女性を突き崩してそのまま押し勝ってしまった。
「ルフォンもやってるな……」
見た目じゃ分かりにくいのはルフォンも同じで、子供チャンピオンであるからか対戦相手も侮っているような人もいた。
しかしルフォンは驚きの勝利を重ねている。
テユノと戦った時のように聞き迫る勢いで相手を攻めて勝利をもぎ取っている。
けれど勝っても笑顔を見せないことにはリュードも気になっていた。
反対の山ではメーリエッヒとルフォンのルーミオラの蹂躙が続いていたがとうとう準決勝で2人が当たることになった。
戦いを見ていた感じ、このままの勢いでいくならルーミオラが勝って決勝は親子対決になるとリュードは読んでいる。
ただメーリエッヒもただではやられることも考えてにくい。
ここ数年の戦績を鑑みるにメーリエッヒの方がやや優勢であるように思えるがだからこそメーリエッヒが奮起するかもしれない。
リュードとしては自分の母親であるメーリエッヒが決勝でルフォンと戦うよりルフォンとルーミオラが決勝で戦う方が面白いし心も平穏に見れる気がする。
今回メーリエッヒの武器は相変わらず長めの剣だけどルーミオラの武器はどデカイ斧だった。
得物の凶悪さだけ比較すれば圧倒的にルーミオラが強い。
不思議なことにルーミオラが使う武器は毎年違う。
しかもただの武器ではなく割と特殊なものも多いのだ。
なぜルーミオラはあんなに大物な武器ばかり扱うのかリュードには理解が及ばない。
それでもルーミオラは強いのだ。
実力は拮抗しているだけに勝敗は毎回予想がつかない。
もう決勝かのような歓声が2人に飛ぶ。
ライバル関係であるが仲もいい。試合前もいがみ合うのではなく互いに笑顔を交わす。
「行くよ!」
「ふふっ、今年も勝たせてもらうわよ」
試合が始まった。
リュードも特に苦戦する相手もいなかった。
そのために今年は子供部門があっさりと終わってしまった。
なので時間に余裕ができてしまったので大人女性部門も最後まで開催されることになった。
例によってリュードは炊き出しをいくつか持って木の上にいた。
人波をかき分けて観戦するよりこちらの方が楽なのだ。
リュードは子供部門でも優勝するので周りから声をかけられることも多くて観戦に集中もできないのである。
それに今年はルフォンとのことを聞きたがる人もいる。
前の年まではリュードのことを見つけたルフォンも同じく木の上で一緒に観戦していたのだけど今年はリュード1人である。
遠視の魔法を使って女性大人部門の戦いを観戦する。
最初こそは食べたり見たりとバランスを保つのにも必死だった。
けれど竜人の身はバランス感覚も優れていて比較的すぐ木の上も慣れてきて、近くの枝に上手く皿を乗せて器用に観戦しながら食事を取ることも出来るようになっていた。
リュードは毎年出る肉の串焼きが好きで今も10本ほど確保している。
今年の優勝者は誰なのか予想するのは毎年の話題の中心となっている。
いつもだと同じ名前が上がるのだけどくじ引きで決められたトーナメント表から考えるとひょっとしたらひょっとしての可能性をリュードは感じた。
メーリエッヒとルーミオラは同じ山で、ルフォンは反対の山にくじ引きで決まった。
となれば上手くルフォンが勝ち抜いていけば決勝で優勝候補のメーリエッヒとルーミオラどちらかと当たることになる。
しかトーナメント表を見るとメーリエッヒとルーミオラが当たるのは準決勝。
つまりルフォンが決勝まで行くことができたなら優勝候補ともなっている2人が戦った後に決勝で当たることになるのだ。
戦いの流れにもよるがメーリエッヒとルーミオラは多くの場合かなり競り合った戦いを演じる。
当然に戦いが終わった後は大きく疲労していて、キレッキレのルフォンならイケるのではと思える。
楽しみ方としてリュードは単に応援するだけでなく試合前の立ち振る舞いや対峙の仕方からどっちが勝ちそうか予想してみている。
「ふーむ……これからニツさんかな? 押してるように見えてるけど……あっ、やっぱり」
他の人は賭けもやっていて好きな人だったり勝ちそうな人となんとなくで賭けるのだがリュードはそう言った先入観をできるだけ排して見た感じから戦力を予想する。
見た目で相手の実力をある程度予想できることもまた必要な能力だ。
これがまた難しくて正解率は良くて7割、精々6割ほどと高くはない。
堂々としているように見えてガチガチに緊張していたり見た目では気弱そうでもいざ戦いが始まれば人が変わったように攻め立てたりと予想に反することも多い。
見た目上の印象では測れない強さがあってなかなか面白い。
今は槍を持った女性が双剣を構える女性を攻め立てているのだがリュードは攻められている双剣の女性が勝つと睨んでいた。
一見すると槍の女性が優位に見えるのだけど双剣の女性は攻撃を防ぎながら反撃の隙を鋭い目でうかがっていた。
一瞬の隙をついて双剣の女性が槍の女性を突き崩してそのまま押し勝ってしまった。
「ルフォンもやってるな……」
見た目じゃ分かりにくいのはルフォンも同じで、子供チャンピオンであるからか対戦相手も侮っているような人もいた。
しかしルフォンは驚きの勝利を重ねている。
テユノと戦った時のように聞き迫る勢いで相手を攻めて勝利をもぎ取っている。
けれど勝っても笑顔を見せないことにはリュードも気になっていた。
反対の山ではメーリエッヒとルフォンのルーミオラの蹂躙が続いていたがとうとう準決勝で2人が当たることになった。
戦いを見ていた感じ、このままの勢いでいくならルーミオラが勝って決勝は親子対決になるとリュードは読んでいる。
ただメーリエッヒもただではやられることも考えてにくい。
ここ数年の戦績を鑑みるにメーリエッヒの方がやや優勢であるように思えるがだからこそメーリエッヒが奮起するかもしれない。
リュードとしては自分の母親であるメーリエッヒが決勝でルフォンと戦うよりルフォンとルーミオラが決勝で戦う方が面白いし心も平穏に見れる気がする。
今回メーリエッヒの武器は相変わらず長めの剣だけどルーミオラの武器はどデカイ斧だった。
得物の凶悪さだけ比較すれば圧倒的にルーミオラが強い。
不思議なことにルーミオラが使う武器は毎年違う。
しかもただの武器ではなく割と特殊なものも多いのだ。
なぜルーミオラはあんなに大物な武器ばかり扱うのかリュードには理解が及ばない。
それでもルーミオラは強いのだ。
実力は拮抗しているだけに勝敗は毎回予想がつかない。
もう決勝かのような歓声が2人に飛ぶ。
ライバル関係であるが仲もいい。試合前もいがみ合うのではなく互いに笑顔を交わす。
「行くよ!」
「ふふっ、今年も勝たせてもらうわよ」
試合が始まった。