彼女はすたすたと音を立てながら雲川へ近づく。

「ほう、意識が朦朧としている中で紅丸を倒したのか。

ふらふらとしている雲川の頬を掴んで瞳を覗き込む。
紅痲の赤い瞳が細くなる。

「いい」

ぽつりと呟くと頬を赤くさせた。

「良い、素敵だ。ここまで、ここまでの力を持っているとはからから!なんとまぁ」
「……ぇ」

笑う彼女の声に意識を取り戻した雲川が気付いた時。

「惚れたぞ。お前が欲しい」

チュッと音を立てて紅痲が雲川の唇に自らの唇を重ねた。