小学五年生の夏、倒れそうになったときがあった。体育でずっと外を走っていたから、きっと熱中症だったのだと思う。
 私は、昔から色々な人に『几帳面』『深く考えすぎる』と言われていた。少しでも体調が悪かったり、何か自分がミスを犯したら、どうしよう……と過度な不安を持ってしまうほどだ。

 現在中学一年生。前章でも話した通り、体育祭の予行練習のときに、熱中症のような症状が出てしまった。『あれ、今何してたっけ』と意識が一瞬飛んだ。友達からも「大丈夫?」「休んだほうが良いよ」と言われたので、私は休むことにした。ただ周りの声が聞こえづらく、視界が白い。気持ち悪くて目眩がした。

 私は、2時間ほど休んだ。そして保健の先生に
「大丈夫? もう給食の時間だし、一度戻ってみようか」
 と言われた。そのとき私はフラフラしてたし、少し気持ちが悪かった。けれど熱も無かったし午後の体育祭練習も一生懸命頑張った。

 【2023年、10月】

『今何してたっけ』と一瞬意識が飛ぶ症状が何度かあった。まだ暑かったので熱中症かな、って思ったけれど、気温が低くて寒いと感じる日もその症状が出た。私は母と病院へ行くことになった。

 血液検査、心電図、生理検査をした。それで診断されたのが『血管迷走神経反射』。自律神経の乱れから起こる病気だった。

 私は、また体調が悪くなったらどうしよう……という不安が日々増していって、怖くなった。ただただ怖いという気持ちが溢れ出てきた。
 いつ意識が飛ぶか分からないから。本当に、怖いという気持ちだけが心の中にある。

 そして、スクールカウンセラーの方とお話することになった。今までの章で書いた悩みを全て打ち明けた。もちろん寄り添ってくれたし少しは心が軽くなったが、まだモヤモヤしたままだった。

【2024年、1月】

 年が明け、その症状も少し減ってきた。ただ心の悩みは晴れないままだった。そして、心療内科や精神科を数件回り、ようやく自分に合う先生を見つけた。

 個人でカウンセラーをやっている女性の先生。その先生も読書が好きで、私に会えて嬉しい、と言ってくれた。今まで出会った先生の中で、一番信用できるし、本当に優しい先生だった。

 私の小説家になりたいという夢も応援してくれた。小説書いたら見せてね、と。私はとてつもなく嬉しかった。この先生に出会えて、本当に良かったと何度も思う。