「こんにちは」
しかし彼はまた訪ねてきた。正直うんざりした。
「本日はどのようなご要件で」
散歩の誘いから始まり、美味しい団子屋を見つけたから一緒に行かないか、綺麗な花が咲いてるから見に行こう。そんな何かしらの理由をつけて、彼は懲りず何度も誘いにきた。もちろん私は家にあげる事もせずに、玄関先でそっけなく断り続けた。
それでも彼は全く気にしてない様子だった。
どれだけ冷たく出迎えても、終始感じ悪い態度で接しても、初めて会った時と同じ笑顔で話しかけてくる。
……理解が出来なかった。なんでこんな我慢比べを我々はしているのか。
「いい加減にして、燐灯」
先に堪忍袋の緒が切れたのは私だった。もう要件なんて聞かない。
会って開口一番に、今まで蓄積された鬱憤をぶつけてやった。
「ねえ、なんでここに来るの? 私は誰とも出かけるつもりはこの先もないし、居鶴に参りたいなら墓の方へ行けばいい。お願いだから、……もうここには来ないで。私は一人がいいの。こんな所に通い続けるなんてどうかしてるわ。燐灯は暇人なの?」
流石にここまで言えば、引くだろうと思った。しかし……。
「やっと、名前で呼んでくれたね」
返ってきたのは予想外な台詞で、呆れて次の言葉がすぐに見つからなかった。
初めて彼の顔を真正面から見た。淀みのない瞳に、心底嬉しそうな明るい笑顔。
――あぁ、やっぱり。
「私、あなたみたいな人、苦手」
気づけば口から勝手に本音がこぼれ落ちており、何故か言われた本人は腹を抱えて笑っていた。
「はははっ、実はそうかなって最初から思ってたよ。でも嫌いではないんだね?」
「たった今、嫌いになりそう」
「それは寂しいな。僕は栞恩ちゃんのこと気に入ってるのに」
「……流石、役者さんは口がお上手なことで」
「それは一応、褒め言葉として受け取っておくよ」
「そうですか。もう好きにしてください」
「うん、また来るよ」
「は……? さっきまでのやりとり、忘れたの?」
「いいや、覚えてるとも。でも好きにしていいんでしょ?」
「だからそれは」
「見せたいものがあるんだ。次はそれを持ってくるよ」
じゃあね、と手をひらひらさせて帰って行った。
私はただ茫然と玄関に立ち尽くした。
本日交わした会話を思い起こす。何度回想しても結論は一つだった。
あの男……実は話が通じない人だったのか、と。
燐灯は居鶴の古い知人だった。
ここ十年と少しの間、演劇の勉強をするため留学していたらしい。
それを後押ししたのが居鶴だった。そんな縁で二人は当初文通で近況報告をしあっていたが、ある時期を境に手紙は途絶えてしまった。
その後、共通の知人から居鶴の訃報を知らされたものの、簡単に帰国する事は出来なかった。
そして最近になって日本に帰ってこられ、いの一番にここを訪れたらしい。
想像するに、そこでは娘が一人きりで生活していた。
しかも居鶴が、自身の留学の機会を他人に譲ってでも大切に育てた子供だ。
彼は居鶴に感じていた恩を、私に返しているのだ。
心配して様子を見に来きてくれるのも、そのためだろう。
でも私に言わせれば、それは不要な気遣いだ。
「だって、いっちゃんは……もうこの世にいない」
私は居鶴じゃない、だから無意味なんだ。
――燐灯まで、縛られる必要はないのだから。
そこから暫く、燐灯は姿を見せなかった。ようやく諦めたものと安心した。
でも季節が移り始めた頃だった。
両手に風呂敷を抱えて、少しやつれた顔をした彼は現れた。
「やあ、久しぶり」
「その荷物はなに?」
「まあ色々ね。帰国してから整理が出来てなくて、荷解きに手間取っちゃった」
「顔色悪いみたいだし、帰ったら?」
「前に話してた団子、買って来たよ。あと色々お土産もある」
「はい?」
「中でお茶にしよう」
「なにを勝手な……」
「それとも栞恩ちゃんは、客人には見せられないほど、普段の掃除が疎かなのかい?」
「馬鹿にしないで。たとえ一人でも怠けていないわ。さあ、どうぞ」
「はーい。お邪魔します」
まんまと口車に乗せられて燐灯を家に招いてしまった。
「なんだ、綺麗に掃除されてるじゃないか」
「だから言ったでしょうに」
「うん、偉いね。よしよし」
そう言ってグリグリと頭を回される。
「……ちょっと、子供扱いしないで」
「おっと、ごめん。つい癖で」
「あの。お茶って粗茶しか出せないわよ」
「え、入れてくれるの?」
「自分で言ったんでしょう」
「いやぁ、いつもなら『ほら見たでしょう、もう帰ったら?』の流れかと」
「あのね。燐灯、あなた本当に顔色悪いわよ。自覚ないの?」
「そうだな……最近少し忙しかったからなあ」
「疲れてる顔を見せにわざわざ来たの?」
「自分の顔色まで気が回ってなかったんだ。でも約束しただろ?」
そんな私の失礼な発言にも、相変わらず楽しそうに答えながら、持ってきた風呂敷を広げていく。
なんだか色々なものを持ち込んだらしい。その中でも厳重に包んであったものを私に手渡した。
「これは……?」
「栞恩ちゃんに見せたかった物。開けてごらん」
慎重に解くと中からは一冊の和綴本が出てきた。そして驚いたことに、これに書かれていた字の筆跡は、私がよく知る人物のものと酷似していた。
「……まさか、これ」
「お察しの通り、居鶴さんが書いたものだよ。日本を発つ直前に頂いた僕の宝物」
「どうしてこれを、私に?」
「それ実は舞台の台本なんだ。今はまだ難しいけど、いつかこれを上演させるのが僕の夢でね。そして是非君に見せたい」
「そう……」
「だからこれは原本として、栞恩に持っていてほしい」
「私が、預かっていいの?」
「うん。これは居鶴さんが旅立つ僕に書いてくれた、世界に一つしかない大事なもの。それを安心して預けられるのは、君の所しかないだろ?」
「そういう認識なのね」
「まあ、ちょっとした願掛けだよ。嫌だった?」
「別に嫌じゃないけど、すぐには読めなくなるじゃない。それでいいの?」
「問題ないよ。書いてあることは全て頭に入ってる。それに……」
一度言葉を切ると、悪戯を思いついた子供のような笑顔で紡いだ。
「もし読みたくなった時はここに来るから」
「なによ、それ」
「あぁ勿論、君はいつでも読んでいいからね」
「……いいの。預かるだけにしておく」
「どうして? とても素敵な物語だよ」
「だって、燐灯が見せてくれるんでしょう? お芝居って見たことないから、楽しみにしてる」
「あぁ、期待しておいて」
それは一重に彼から預かった台本が、私達に確かな繋がりをもたらした。
彼は一定の間隔で会いにやって来た。何か特別なことをするわけじゃなかった。
ただ他愛の無い話をして、お茶を飲み、本を読んで。
いつの間にか私はすっかり諦めてしまい、一緒に過ごす時間を受け入れていた。
彼が居鶴の話題を出すと、自分も少しなら許される気がして、その時間だけはかつての思い出に浸る。
もちろん悲しみで押し潰されそうになるが、同時にかけがえのない時間だったと思い出させてくれた。
――けれど私は決して忘れていなかった。
たとえ、どれほど燐灯が私の世界に入ってこようとも、あの言葉を。
「これはキミがこれからの人生で『最も幸福を感じた時』に恐ろしい悲劇を迎える、そんな呪い」
――ずっと後悔している。
燐灯とはもっと早く縁を切っておくべきだった。
そうすれば「悲劇」に彼が巻き込まれることは無かっただろう。
燐灯と出会って、いくつも季節は巡った。
相変わらず、私たちは一定の距離を保ちながら付き合いを続けていた。
親しくなればなるほど、呪いの危険は高まる。
このことを話したりは勿論しなかったが、燐灯は私が抱く懸念を汲んでいたかのように、一線を越えることはしなかった。
だから安心し切って、油断を招いた。
心の準備を待たず、かねてより夢だと語っていた「いつか」が突然やってきたのだ。
決して突発的に叶ったわけではない。ただ彼は自身の苦労話など全くしなかった。
だから役者業が軌道に乗っていたことも、実はあの台本の舞台が実現しつつあったことも、その日に聞かされた。
「驚いた?」
「……驚きすぎて、頭が追いつかない」
「あんなにはっきり宣誓しておいて、叶えないのは格好つかないでしょう?」
「すごいね、私何も知らなくて……」
「そりゃあ秘密にしていたから」
「そっか。燐灯頑張ったんだね、本当におめでとう」
「ありがとう。安心したよ」
「安心?」
「うん。嬉しそうな顔が見られて」
「そんな顔してない」
「強情だなぁ。……鏡、見てご覧よ」
「絶対見ない」
「いいよ、これからも僕にだけ見せていれば」
「これからも、なんて容易く言わないで……残された方の気持ち考えたことある?」
「僕は……栞恩が本気で拒絶しない限り、急に消えたりしないよ」
「そんなの分からないでしょう? どれだけ善人でも突然死ぬことだってあるの」
「じゃあ賭けてみよう」
「賭け?」
「君の言う『これからも』が何らかの形で果たされなかった時だ。どんな姿になっても会いに行くと約束する。もし破ったら……」
「破ったら?」
「僕を嫌いになっていい」
「……なによ、それ。そんな賭け成立するはずないでしょ」
「それがするんだなぁ。少しは未来に希望、生まれた?」
「バカね……燐灯はいいの? そんな約束を簡単に取り付けて」
「簡単なもんか。一世一代の男気だよ」
私は動揺してしまった。
今まで感じないようにしていたものを、目の前に突きつけられたから。
もうそれを簡単に拒むことは、出来なくなっていた。
それほど彼に情が移ってしまった。
――異変はすぐに訪れた。
足元が急にグラグラと大きく揺れ始め、ハッとしたのだ。
そこで察した。ついに呼び寄せてしまったのか、と。
彼の言葉がそれほどまでに嬉しかったのだと、悲しくも証明されてしまった。
もうこれで死んでも悔いはない、そう心から思った。
だからこの先に何が待ち受けているかなんて、あの瞬間は知る由もなかった。
ただ最後に聞こえたのは、私の名前を必死で呼ぶ大好きな男の声だった。
次に瞳を開けると、見知らぬ天井に視界が支配される。
――そこは音が消えた世界だった。
以降は筆談によって知らされた経緯だ。
まず尋常じゃない音がしたらしい。
硝子が割れる音。誰かの叫び声。ぐしゃりと何かがつぶれる音。
そして静寂が訪れた。
不自然に思ったお隣さんが我が家の様子を見に来た。
そこはまるで地震の被害にでも遭った様な散乱具合で、室内は滅茶苦茶になっていた。
無論その日、あの地域で地震なんて起きてない。
ほとんどの人にとっては、いたって平穏な昼下がりだった。
居間だった場所が最も悲惨で、中央に大きな血溜まりが出来ていた。
大きなガラス戸や食器棚が倒れていたからだ。
それらの下敷きになる形で、男女の人影が確認された。
女の方はその家に住む栞恩だとすぐに判明したが、男の顔は身元が判別出来ないほどに損傷していた。
人を呼び込み懸命な救出活動が功を成し、二人は早急に病院へ運ばれた。
対処が早く、幸いにも双方命に別状はなかった。
その代わり大きな外傷が残った。それは上半身……専ら頭部だった。
――こうして私は聴覚を失い、全身に麻痺が残った。
対して燐灯は両目を失明し、顔に一生消えない傷が残った。
それは役者としての彼の死を意味した。
私はどこかで勘違いしていた。
何故、悲劇は自分にだけ起こるものと思い込んでいたのだろう?
どんな顔で会いに行けばいいのか、答えはずっと出なかった。
なんの罪も無い、彼の未来を奪ってしまった。
どれだけ謝罪の言葉を並べても、結末が変わるはずもない。
――だって悲劇はすでに起きてしまったのだから。
ならば謝罪なんて、罪悪感から私を救うための免罪符にしかならない。
今回の件、私に非があると知ったら、彼は間違いなく私を恨むだろう。
いや、そんなの恨んで当然だ。罵倒したって構わない。寧ろそれを望んでいる。
なのに、彼の言葉を彼の口から聞くことは……もう一生叶わない。
ここは静かすぎる。私は初めて本物の孤独を知った。
どれだけ無責任と思われようと、私はもう彼の側にはいられなかった。
だってこれで終わる保証なんてないのだから。
私が償えることは、ただ一つ。これ以上悲劇が起きないように、完膚なきまでにその可能性を断つことだ。
……これ以上彼を苦しめたくはない。
月を覆い隠す曇り空。そんないつもより薄暗い夜を選んだ。
私は此処を去るために、思い通りにいかない体を引きずり病室を抜け出した。
誰もが寝静まった時間の、病棟と病院を繋ぐ渡り廊下。
そこはまるで、あの世とこの世の境が曖昧になっているような暗闇が広がっており、かなり視界が悪い。
――だから気づけなかった。
視界の下で急に現れた人影を認識した時には、足が何かに躓き、体を地面へ打ちつけていた。
この時小さな声でも漏れてしまったのだろう。
目前の誰かに脱走者の存在を知らせてしまったらしい。
病院関係者なら、きっと病室へ連れ戻されてしまうだろう。
そうなれば暫く自由に行動が出来なくなってしまう。
その恐怖で体が硬直してしまった。
今の私には相手が誰なのか、直接見ることでしか判別が出来ないというのに。
しかし……存在を確かめるように私の背中に触れる優しい手の温もりを、私はよく知っていた。
間違えるはずなかった。
意を決して頭を上げると、そこにはまだ包帯で顔を覆われている燐灯の姿があった。
何故か彼はこの通路に腰を下ろし、何も見えないはずの空を見上げていた。
そんな彼が伸ばしていた長い脚に躓いたらしかった。
泣く資格なんてないのに、止めどなく目から涙がこぼれ落ちた。
出来るだけ声を押し殺したのは……せめてもの、意地だった。
燐灯には私が栞恩だと確信させたくなかった。
やがて辿々しく私に触れていた手が、髪から頭部へたどり着き、ゆっくりと撫でる動作を繰り返した。
――彼には私の頭をグリグリと回す癖があった。
褒める時、慰めてくれる時、茶化す時。
それは最後まで互いの気持ちを伝え合わなかった私達の、暗黙の愛情表現とも呼べる行為だった。
私は体を起こし、初めて自分から燐灯を抱きしめ、耳元で言葉を紡いだ。
果たして伝わっていたのか、もう知る術はない。
きちんと声になったかも自信はない。
「ずっと燐灯を想ってる……だから二度と会いたくない。私を嫌いになって」
彼を取り残し、あの場所を離れた。後ろを振り向くことはなかった。
私はただ一つの終わりを迎えるために、家路に着いた。
久しぶりの我が家は、あの時のままになっていた。
荒れ果てた室内から、私はある物……燐灯から預かっていたあの台本を探していた。
それは容易に発見された。というのも、居鶴の仏壇に隠していたからだ。
もしかしたら盗まれているかもと不安に想っていたが、それは杞憂に終わった。
流石に仏壇の中までは手を付けなかったらしい。
これと居鶴の遺灰さえあれば、もう充分だった。
……たとえ明らかに人の手によって荒らされた痕跡があり、置いてあった金目の物が無くなっていようとも。
今後の私には必要のないものだから関係ない、必要な人が使えば良い、そう本気で思っていた。
しかし盗人からすれば、瀕死と聞いていた家主が突然夜中に戻ってきたのだ。
しかも帰って早々、他の物には目もくれず仏壇を開き、中から取り出した箱を心底大事そうに抱きしめている。
きっと、それがこの家で一番高価な代物なんだろうと勘違いしたに違いない。
これは頂く価値があると判断し、脅して奪おうとした。
でもどれだけ声を荒げても、女は全く反応を示さない。
さぞ気味悪く思ったことだろう。
だって耳が聞こえないなんて事情、相手は知るわけない。
私の方も背後からの強い衝撃で体勢を崩し、初めて第三者の存在を知った。
盗人は一人の中年男性だった。
私の手から離れた箱に手を伸ばし、中身を暴こうとした。
他人から見れば、中身はただの紙の束だ。金目の価値は微塵もない。
逆に言えば、それの価値を知らない相手に触れられるのは耐えられなかった。
――それだけは許せなかった。
でも自由に身体を動かすことが出来なかった。
後遺症の麻痺に加えて、先ほど背中を容赦なく殴られたからだ。
むせ込んで呼吸も満足に出来ないし、口内は血の味がする。
もはや声を出す気力も残っていなかった。
私はただ見ている事しか出来ない自分を呪った。
徐々に憎しみと怒り、そんなドス黒い感情に体内が汚染されていくのを感じた。
やがて盗人は紙屑と対面して、落胆した様だった。そして標的を私に変えた。
憂さを晴らしてやろうと思ったのか、目撃者を消したかったのか。
私の上に跨り、首を締め上げ、全体重を乗せた。
……それは明確な殺意だった。
これで終われば私も化けて出たりはしなかった。
ただあの男は非常に用心深かった。自分が逃走する際、家に火を放ったのだ。
よりにもよって、居鶴と燐灯、二人と過ごしたこの場所に、だ。
私は薄れゆく意識の中で、自分の不甲斐なさに怒り、震えていた。
……そして初めて疑問に思った。
何故、私はこんな目に遭っているのか、と。
――どうして?
『燐灯と過ごすうちに、幸福を感じてしまったから』
――何故、幸福を感じてはいけないの?
『そういう呪いだから』
――呪いって、何?
『分からない……でもきっと、罰』
――罪を犯したの?
『多分、あの化け物を外に逃してしまったこと』
――何故そんなことをしてくれたの?
『中にあんなのがいたなんて、知らなかったの。騙された』
――騙された?
『そう……あそこに、いっちゃんがいるって』
――誰に、そう言われたの?
『…………誰、なんだろう。分からない』
――ねえ、そいつが全ての元凶じゃない?
『待って……私は今、誰と話してる?』
――逃してくれたお礼だよ。一緒に復讐しよう、死にかけのお姉さん?
燃え盛る炎の中、その異形は平然とそこに立ち、複数の目で私を見下ろしていた。
それは忘れるはずもない。あの時、扉を開けた先にいた化け物だった。
強い炎に体の肉が容赦なく焼かれていく。
それは残された時間があと僅かだと思い知るには充分の苦痛だった。
『私は、自由に動く体が欲しい。憎い……憎くて堪らない。私を騙した奴と、家に火をつけた奴が。このまま惨めに死ぬなんて、受け入れられない』
――わかった、一緒に墜ちよう……憎しみの底まで。