「……花、大丈夫?」
「こんなの嘘に決まってるよ」
「そうそう、本気にしちゃだめだよ」

 沙雪ちゃんやクラスメイトたちが口々に慰めてくれる。

「うん、私なら大丈夫。気にしないで」

 私はそう言って教室を出た。

 ふらふらとした足取りで廊下を歩く。

 あれれ。

 私、どうしてこんなにショックを受けてるんだ?

 私は白浜くんの浮気報道に動揺している自分にびっくりした。

 別に私と白浜くんは本当に付き合ってるわけじゃない。

 白浜くんが誰と付き合おうが、関係ないはずなのに。

 なんでこんなに気になるんだ?

 ***

 次の休み時間、私は思い切って白浜くんを尋ねてみることにした。

「白浜くん、いる?」

 呼びかけてみたけど、白浜くんは教室にいない。生徒会室にも鍵がかかってる。

 一体どこにいるんだろう?

 私は息を切らし、学校内を探しまわる。

 別に今聞かなくてもいいし、スマホで連絡しても良いんだろうなって思う。

 でもなんとなく会って話をしたい気分だった。

 直接会って否定してほしかった。

 白浜くんどこだろう?