「えーっ、それじゃあ、また白浜くんのインタビューできなかったんだ」

 お昼休み。可愛らしいサンドウィッチを頬張りながら残念そうに眉を寄せたのは、私の親友、桜井(さくらい)沙雪(さゆき)ちゃんだ。

「そうなの。いっつも私が取材しようと思うとサーッとどこかへ行っちゃうんだよね」

 私が答えると、沙雪ちゃんはうっとりとするような甘い瞳でこう言った。

「そっかあ。はあ。私、白浜くんのインタビューが学園新聞に載ったら絶対に買うのにな」

 沙雪ちゃんは、一年生の時から白浜くんのファンなんだ。

 私は沙雪ちゃんの顔をじっと見つめる。

 ミルクティー色の長いふわふわした髪。色白の肌に長いまつ毛。

 沙雪ちゃんはクラスの中でもダントツに可愛い。学年でもトップ三に入ると思う。

 告白なんて一度もされたことがない恋愛に無縁な私と違って、数か月に一度は告白されてる。

 そんな可愛くてモテ女の沙雪ちゃんまでファンだなんて、白浜くんってやっぱりすごいんだな。