「うわっ」

 白浜くんが声を上げる。そして私の手を自然に握ってきた。

 ええっ!?

 あれれ。白浜くん、今のそんなに怖かったのかな?

「大丈夫? 白浜くん、怖かった?」

 こっそりと聞いてみると、白浜くんは小さくうなずいた。

「うん。少しね」

 本当かな?

 結局、白浜くんは映画が終わるまでずっと私の手をにぎっていた。

 ひょっとすると白夜くんは意外と怖がりなのだろうか。

 白浜くんの意外な一面を見た気がした。


「映画、結構怖かったね」

 映画館から出るなり、白浜くんが息を大きく吐き出す。

「うん」

 私も、最初は結構怖いかもしれないと思ってた。

 けど、途中から白浜くんが手を握ってくるから、お話がちっとも頭に入ってこなかったよ。