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 ガチャリ。

 玄関のドアを開けると、隣の部屋からほぼ同時に白浜くんが出てくる。

 私たちは顔を見合せて笑いあった。

「お、気が合うね」

「そうかな」

「それじゃあ行こうか」

「うん」

 私と白浜くんは、二人で駅前の映画館へとに向かった。

「わ、あの服可愛い」

 私がショーウィンドウを何気なくのぞいていると、白浜くんは私のことをじっと見つめてこう言った。

「今日さ、花、ちょっといつもとイメージ違うよね」

「えっ、そう?」

 私は自分の洋服を見た。

 今日の私の服装は、沙雪ちゃんに借りた薄いパープルのワンピース。

 ピンクや白だといかにもデート意識しましたって感じだし、かといってデートなのに地味なのもどうかなと思って、あれこれ悩んだ末のお洋服。

 それだけじゃない。髪の毛も下ろして毛先も少し巻いてる。あんまり派手だと気合入れてるみたいで恥ずかしいからお化粧はリップだけだけどね。

「もしかして変?」

 恐る恐る聞いてみると、白浜くんは少し笑って私の頭をポンと撫でた。

「いや、可愛いよ」

「あ、ありがと」

 私はなんだかこそばゆい気持ちになって視線をそらした。

 なんか慣れないな、こういうの。

 普通の女子は、みんなこういうのを体験してるんだろうか?