私は続けた。

「それに完璧超人だなんて、一緒にいて息がつまりそう。それよりだったら私は、ちょっとぐらい欠点があった方が人間らしくていいと思うな」

「ですよね。ああいう人間はきっと一緒にいると疲れますよ、完璧すぎて。その点僕は欠点だらけですから、一緒にいて楽になること間違いなし」

 冗談めかして言うと胸を張る紬くん。

「あはは」

 私は乾いた笑みを浮かべると、白浜くんが写った手元のカメラに視線を落とした。

 確かに白浜くんはかっこいい。

 でもどういうわけか、私は白浜くんをいまいち信用できなかった。

 言葉も行動も、なんだかいちいち芝居がかっている気がする。

 それに何より、あの笑顔。 

 あの爽やか王子様スマイルが嘘くさいと私は思う。

 あの笑顔の裏に、白夜くんは何かを隠してる気がする。
 
 きっと何か人には言えない秘密を持っているに違いない。

 白浜くんとは全然話したこともないし、特に根拠もないのだけれど――。

 私はそう確信していたのだった。