私はチラリと隣の部屋を見た。

 隣の部屋の様子は、壁があって全然見えないけど、なんとなく明かりがついておらず真っ暗なのは分かった。

 白浜くんはまだ帰ってきてないみたいだ。

 こんなに遅くまで学校に残って何をしているのだろう。

 来月には文化祭があるし、その準備でもしてるのかな。

 生徒会長ともなると責任重大だし準備も大変なのかもしれない。

 私は少し疲れたような白浜くんの顔を思い出した。

 綾瀬さんも心配してたけど大丈夫なのかな。

 白浜くん、ちゃんとご飯食べてる? ちゃんと寝れてる?

 私は夕ご飯の用意をすると、久しぶりに一人で食卓についた。

 一人分の食事の乗ったテーブルは、なんだかすごく広く見えて、私は少し寂しくなった。

 まるで広い宇宙の果てでひとりぼっちになってしまったみたい。

 右も左も、自分がどこにいるのか分からない。迷子になったみたいだよ。

 おかしい。白浜くんが引っ越してくるまでは、一人でご飯を食べるのが当たり前だったはずなのに。

 どうして今日に限って、こんなに寂しいんだろう。

 どうしてなんだろうな。

 私は一人、明かりのついていない隣の部屋のことを思って眠りについた。