「せ、先輩、この記事本当なんですね」

 うるうるとチワワみたいな瞳で見つめてくる紬くん。

「う、うん……本当だよ」

 私が答えると、紬くんはがっくりと肩を落とした。

「そ、そんな。先輩が生徒会長と付き合ってるだなんて、てっきりフェイクニュースかと思ってたのに」

「えっと……黙っててごめんね」

 私がオロオロしていると、突然後ろからグイッと腕をつかまれた。

「俺の彼女に何か用かな?」

 振り向くと、そこにいたのは白浜くんだった。

「びゃ、白浜くん!?」

 白浜くんは私の体を強引に自分の横に引き寄せると、紬くんを真正面から見すえた。

 白浜くんの鋭い視線にさらされた紬くんは、ぷいっと視線をそらした。

「別に用があるわけじゃありませんけど」

 そんな紬くんの様子を、白浜くんはじっと見つめる。

「君さ、花の幼馴染なんだって?」

「そ、そうですけど」

 紬くんがたじろぎながら返事をすると、白浜くんはクスリと笑って私の肩を抱いた。

「そう。でもこれからはあんまり馴れ馴れしくしないでね。花は俺のものだから」

 挑発的な目で紬くんを見つめる白浜くん。

 はあ⁉

 ちょ、ちょっと白浜くんったら、何言ってるの?