「白浜くん……何言ってるの? 自分の言ってること分かってる?」

 私がため息混じりに言うと、白浜くんは不思議そうに目を丸くした。

「うん、もちろん。あれ? 駄目? 五十鈴さんのお母さんも彼氏だって勘違いしてたし、お似合いだって言ってたしいけると思うけどな」

 全く。お母さんが変なこと言うせいで白浜くんがとんでもないことを言い出すじゃないか。

 私は病室にいるお母さんに恨みの念を送った。

「駄目に決まってるでしょ。何でそんなことしなくちゃいけないの」

「だってその方が、学校で親しく話したり、お互いの家に行き来したりするのも気兼ねなくできるでしょ」

 あっけらかんとした口調で言う白浜くん。

「だからって――」

「それに、五十鈴さんが彼女になってくれれば、五十鈴さんの料理が毎日食べられるし、お弁当を作ってもらっても全然不自然じゃないじゃん?」

 もしかして白浜くん、食べ物目当て?

 まあ、確かにそうすれば二人でコソコソ会う必要もないし、堂々と話ができるかも。

 でも……。