タクシーが病院に着く。
私たちは二人で料金を半分こにして支払った。
そんなに高くないことにホッとしつつも、再び不安が襲ってくる。
「でも、お母さんはどこに……」
私が広い病院の中をキョロキョロと見回していると、白夜くんは私の手をぐいっと引っ張った。
「総合案内で聞いてみよう」
あ、そっか。
そんな簡単なことも分からないだなんて、私、動転してるな。
白浜くんが私の手を取り、迷うことなく総合案内に引っ張っていく。
なんか白浜くん、妙に慣れてるな。
もしかして誰かのお見舞いか何かでこの病院に何回か来たことがあるのかもしれない。
「あの、すみません。先ほど救急車で搬送された五十鈴の身内のものですが」
白浜くんが総合受付で話していると、後ろから看護師さんがやってきた。
「ああ、五十鈴さんの。どうぞこちらへ」
早足で歩く看護師さんのあとを着いてエレベーターに乗り込む。
「こちらの部屋です」
怖いくらいに白くて静かな廊下の先に、「五十鈴」と名前が書かれた病室が見えてきた。
どうやら病室は四人部屋みたいだ。
「お母さんっ!」
私は勢いよく病室に飛びこんだ。
お母さん、どうか無事でいて――。
ガラリと病室を仕切るカーテンを開けると、そこには――笑顔で談笑する母さんとおばあちゃんがいた。
「あれっ、花、来てたの?」
キョトンとした顔のお母さん。
てっきり人工呼吸器とか何か管につながって意識もない状態を想像していたので、思ったより普通そうな母親の様子に私は肩透かしを食らってしまった。
「お母さん……平気なの!?」
私は思わず叫んだ。
「ええ、平気だけど……それよりどうしたの、こんな所まで」
キョトンとした顔のお母さん。
「どうしたのって、お母さんが倒れたっておばあちゃんに聞いたから、こんな所まで来たんじゃないの」
「あら、そうなの? でもただの貧血だったみたいで、点滴してもらったらすっかり良くなったわ」
「なんだぁ」
心配して損した!
私たちは二人で料金を半分こにして支払った。
そんなに高くないことにホッとしつつも、再び不安が襲ってくる。
「でも、お母さんはどこに……」
私が広い病院の中をキョロキョロと見回していると、白夜くんは私の手をぐいっと引っ張った。
「総合案内で聞いてみよう」
あ、そっか。
そんな簡単なことも分からないだなんて、私、動転してるな。
白浜くんが私の手を取り、迷うことなく総合案内に引っ張っていく。
なんか白浜くん、妙に慣れてるな。
もしかして誰かのお見舞いか何かでこの病院に何回か来たことがあるのかもしれない。
「あの、すみません。先ほど救急車で搬送された五十鈴の身内のものですが」
白浜くんが総合受付で話していると、後ろから看護師さんがやってきた。
「ああ、五十鈴さんの。どうぞこちらへ」
早足で歩く看護師さんのあとを着いてエレベーターに乗り込む。
「こちらの部屋です」
怖いくらいに白くて静かな廊下の先に、「五十鈴」と名前が書かれた病室が見えてきた。
どうやら病室は四人部屋みたいだ。
「お母さんっ!」
私は勢いよく病室に飛びこんだ。
お母さん、どうか無事でいて――。
ガラリと病室を仕切るカーテンを開けると、そこには――笑顔で談笑する母さんとおばあちゃんがいた。
「あれっ、花、来てたの?」
キョトンとした顔のお母さん。
てっきり人工呼吸器とか何か管につながって意識もない状態を想像していたので、思ったより普通そうな母親の様子に私は肩透かしを食らってしまった。
「お母さん……平気なの!?」
私は思わず叫んだ。
「ええ、平気だけど……それよりどうしたの、こんな所まで」
キョトンとした顔のお母さん。
「どうしたのって、お母さんが倒れたっておばあちゃんに聞いたから、こんな所まで来たんじゃないの」
「あら、そうなの? でもただの貧血だったみたいで、点滴してもらったらすっかり良くなったわ」
「なんだぁ」
心配して損した!