「それでは、新コーナーは『生徒会長に聞け! お悩み解決コーナー』でいいですか?」

 新聞部の部長が、黒板に書かれた「生徒会長のお悩み相談」という文字をチョークで叩く。

「賛成ー!」
「いいと思います!」

 部員たちが拍手をし、学校新聞の新コーナーが決まる。

「というわけで、頼むよ、五十鈴さん!」

 部長が私の肩をたたく。

「は、はい。一応頼んでみますけど、でもダメだったら……」

 私が言うと、部長はガハハと笑い飛ばした。

「大丈夫、五十鈴さんなら! 何たって、今まで誰もできなかった生徒会長のインタビューを成しとげた女だからな!」

「は、はあ」

 そんな大それたことをしたつもりはないんだけどな。

 まあいっか。家に帰ったら白浜くんに頼んでみよ。

 毎日お弁当を作ってるんだし、それぐらいはしてもらわないと。

 そう思いながら私が記事をまとめていると、紬くんが声をかけてきた。

「大丈夫ですか? 先輩」

「うん、まあ、ダメ元で一応声かけてみる」

「心配しないで下さい。もしダメだったら、『紬くんの何でも相談コーナー』にする準備はできてますから。ね?」

 紬くんが胸を張る。

 まあ、気持ちだけはありがたく受け取っておこう。

 私と紬くんがそんな話をしていると、一人の先輩が部室に入ってきた。

「み、みんな、大変だ!」

「どうしたんだ、一体」

 部長が先輩に駆け寄ると、先輩は今日発売されたばかりの学友日報を部長に手渡した。

「大変ですっ。日報のやつらがこんな記事を!」

 日報がどうかしたの?