白浜くんがあらかた食べ終わったところで、私は手元の腕時計を見た。

 いけない。あんまりのんびりしていてはお昼休みが終わってしまう。

 白浜くんはそんな私の顔をまじまじと見つめた。

「時間が気になるの?」

「あ……うん。早くしないとお昼休み終わっちゃうかなって。白浜くん、そろそろ取材してもいい?」

「ああ、いいよ」

 許可が出たので、私はさっそく白浜くんに簡単なプロフィールや生徒会長になってからやりたいこと
などを質問した。

「白浜くんはどうして生徒会長に立候補したんですか?」

「学校をより良くしたいからかな。それと、僕の存在をいろんな人に覚えてほしくて」

「白浜くんの長所と短所、それから好きなものは?」

 質問すると、白浜くんはうーんと考えこんだ。

「長所は、目標を達成するための実行力や計画性があるとことで、短所は……お腹が空くと力が出ないところ」

「なるほど」

 お腹が空くと力が出ないって……そんな幼児向けアニメみたいな。

 と思ったけれど、この間もお腹が空いて家の前に倒れていたし、案外本当なのかもしれない。

「ほら、五十鈴さんにお弁当作ってもらわなければ、昼も夜もカップラーメンだし……って、これは記事にしないでね」

「分かってる」

「それでえっと……好きなものは美味しい料理を食べること」

 笑顔で答える白浜くん。

 なんだかどんどん白浜くんが腹ペコキャラみたいになってきたぞ。