「すぐに連絡できなくてごめんなさいね。でも私たちも動転していて」

 電話口で、白浜くんのお母さんのすすり泣く声が聞こえる。

「……いえ。わざわざお知らせいただきありがとうございました」

 私はそう言って電話を切った。

 まるで現実感がなかった。

 だって約束したから。

 ずっと一緒にいるって。

 辛いときも悲しいときも、そばにいるよって。

 約束したじゃん。

 白浜くん――。


 私は翌日学校を休んだ。

 ショックだったからというより、怖かった。

 学校に行けば、いろんな人から白浜くんのことを聞かれるだろう。

 いろんな人から心配されるだろう。

 私はまだ白浜くんが居なくなったことを受け止められないのに。

 だってまだ私は認めてない。

 さよならすら言えてない。

 白浜くんが死んでしまっただなんて信じられないのに。