ずっと一緒にいよう。

 そう誓った二人だったけれど、その約束は果たされなかった。

 白浜くんが亡くなったと知らされたのは、白浜くんが手術をしたその翌日のことだった。

 白浜くんのお母さんが、白浜くんのスマホから電話をかけてくれて、私はことの詳細を知った。

 最初に白浜くんのスマホから電話がかかって来たときは、手術を終えてようやく電話で話せる状態になったんだと思っていた。

 しばらくぶりに白浜くんの声が聴ける。そう思って電話を取ったのに――。

 届いたのは悲しい知らせだった。

「港人が……亡くなりました。自分に何かあった時にはここに連絡してほしいと書置きがあったので、お電話差し上げました」

 電話の向こうから聞こえた低い声。

 私はすぐには状況が理解できなかった。

 白浜くんのお母さんが言うには、白浜くんの病気は、想像していたよりもずっと進行していて、ボロボロになった彼の体は手術の負担に耐え切れなかったのだそうだ。

「あの子は負けず嫌いだし、人に弱みを見せないようにのするのがうまいから、私たちにも自分の体が辛いことを隠していたのでしょうね。お医者さんが言うにはこの体の状態で今まで生きてたのが不思議なぐらいだったって」

 お母さんの言葉が、遠い世界のことのように空っぽの頭の中にこだまする。

 まるで現実感が無かった。

 この世界にはもう、どこを探しても白浜くんはいないだなんて。

 もう白浜くんには会えないだなんて。