初めに白いほうを試着すると、カーテンを開ける。

「どうかな?」

 私がくるりと一周回ってみせると、白夜くんは頬をほころばせて笑う。

「うん、似合うね。可愛い」

 「可愛い」だって。

 そんなこと言われるとなんだかこそばゆくなってしまう。

 私は頬をボリボリとかいた。

「それじゃ次は黒ね」

 今度は黒のTシャツに着替える。

「どう?」

 先ほどと同じように私がくるりと回ると、白浜くんは同じような口調でこう言った。

「うん、こっちも可愛いね」

 本当だろうか。

「白浜くんはどっちがいいと思う?」

 私が改めて尋ねると、白浜くんは笑顔のまま答えた。

「どっちも良いよ」

 白浜くんの答えに、私はむすっとして腕を組んだ。

「白浜くん、本当はどうでもいいって思ってない?」

 私が問い詰めると、白浜くんは困ったように笑った。

「思ってないよ。だってどっちも可愛いから。これ安いし、この際両方買ったら?」

 ……全くもう。

 結局、汚れにくそうという理由で黒の方を白浜くんに買ってもらい、私の誕生日プレゼント選びは終わった。