写真展当日は、少し肌寒い秋晴れの日だった。

 待ち合わせ場所の駅で待っていると、お母さんが手を振りながらやってきた。

「花ー、こっちこっち!」

 白浜くんはお母さんを見るなり、完璧な王子様スマイルを作った。

「お母さん、お久しぶりです。お体はもう大丈夫ですか?」

 白浜くんのキラキラオーラに、お母さんの頬が少し赤くなる。

「え、ええ。ありがとう」

 お母さんは気取った声で言うと、私の腕をグイッと引っ張り、耳元でささやいた。

「白浜くん相変わらず凄いイケメンだし、しっかりしてるわね。本当にあなたの彼氏なの!?」

「か、彼氏だよ、一応……」

 私は慌てながら答える。

 もうっ。

 白浜くんったら、相変わらず猫かぶりがすごいんだから。

「いつも花がお世話になっております」

「いえいえ、僕の方こそお世話になりっぱなしで」