──あれから10年。
「お、今日も香恋の恋カレーうまそ」
仕事帰りの涼真は、私の一人暮らしの家にくるなりスーツのネクタイを緩めるとダイニングテーブルに腰掛け、すぐにカレーを頬張る。
「もう涼真に恋カレー、何回作ったかわかんないな」
私はエプロンを外すと、いつものように涼真の真向かいに座りスプーンを持ち上げる。
「1000回目」
「え?涼真数えてたの?」
驚いた私を眺めながら、涼真はあっと言う間にお皿を空っぽにして「ごちそうさまでした」とスプーンを置いた。そしてスラックスのポケットから小さな白い箱を取り出し、箱を開けると私に差し出した。
「え……?涼真? 」
「1000回目の恋カレーのおまじない知ってた?好きな人から1000回恋カレー作ってもらったら、その人が俺と結婚してくれるんだって」
涼真の顔も、手元のダイヤモンドが輝く指輪もあっという間に涙でぼやけていく。
「また泣くし……返事は?」
涼真は立ち上がると指先で私の目尻からそっと涙を掬ってくれる。
「涼真が好きだよ……ずっと一緒にいて」
「うん、一生幸せにするから」
涼真が私の額にコツンと額を当てると、私達はこれから永遠に続く二人の道を寄り添って歩ける幸せを噛み締めながら、長い長いキスをした。
──ねぇ、恋カレーって知ってる?
もしも私がこう聞かれたら、こう答えるだろう。
それは恋する女の子の為の魔法のおまじない。ほんの少しの勇気という名のスパイスと沢山の愛情をハート型の人参に想いを込めれば、いつかきっと叶う秘密の恋のおまじない。
「涼真大好きだよ」
私にとって恋カレーは、恋するカレを振り向かせてくれる、魔法のカレーだった。
──恋する私は、今日も恋カレーを作りながら、恋するカレとこれからも永遠に一緒。
「お、今日も香恋の恋カレーうまそ」
仕事帰りの涼真は、私の一人暮らしの家にくるなりスーツのネクタイを緩めるとダイニングテーブルに腰掛け、すぐにカレーを頬張る。
「もう涼真に恋カレー、何回作ったかわかんないな」
私はエプロンを外すと、いつものように涼真の真向かいに座りスプーンを持ち上げる。
「1000回目」
「え?涼真数えてたの?」
驚いた私を眺めながら、涼真はあっと言う間にお皿を空っぽにして「ごちそうさまでした」とスプーンを置いた。そしてスラックスのポケットから小さな白い箱を取り出し、箱を開けると私に差し出した。
「え……?涼真? 」
「1000回目の恋カレーのおまじない知ってた?好きな人から1000回恋カレー作ってもらったら、その人が俺と結婚してくれるんだって」
涼真の顔も、手元のダイヤモンドが輝く指輪もあっという間に涙でぼやけていく。
「また泣くし……返事は?」
涼真は立ち上がると指先で私の目尻からそっと涙を掬ってくれる。
「涼真が好きだよ……ずっと一緒にいて」
「うん、一生幸せにするから」
涼真が私の額にコツンと額を当てると、私達はこれから永遠に続く二人の道を寄り添って歩ける幸せを噛み締めながら、長い長いキスをした。
──ねぇ、恋カレーって知ってる?
もしも私がこう聞かれたら、こう答えるだろう。
それは恋する女の子の為の魔法のおまじない。ほんの少しの勇気という名のスパイスと沢山の愛情をハート型の人参に想いを込めれば、いつかきっと叶う秘密の恋のおまじない。
「涼真大好きだよ」
私にとって恋カレーは、恋するカレを振り向かせてくれる、魔法のカレーだった。
──恋する私は、今日も恋カレーを作りながら、恋するカレとこれからも永遠に一緒。