私はずっと忘れられなかった。

いくつもの季節が過ぎても。
ほかの誰と付き合っても。
だって私の心の中にはいつだって、
琢磨(たくま)がいたから。

そしてあの日を境に、私は冬が嫌いになった。

忘れられないから。
思い出してしまうから。


──雪の匂いにキミとの恋を