衝撃的な内容を前に白夜は絶句した。
そんな筈はない。
何かあれば鬼頭家のまじない札が通知を知らせる仕組みになっており、それと同時に最後に時雨のいた場所が分かるようになっている。その札が作用しなかったということは…
懐から取り出した札を見れば目を見開いた。
真っ暗だ。
鬼頭家の紋章から広がるようにして焦げたように力を失えば、その役割をまるで果たしていなかった。
ーーー千里眼【発】
白夜の瞳はアメジストに輝けば妖都中の領域を視覚化。
くまなく見渡せば時雨のオーラを探るも何処にもいない。
自分が仕事を優先している間、時雨は妖都の中から完全に姿を消してしまったのだ。時雨が八雲家に攫われた際、それは白夜の体にも違和感を起こしたのに対して、今回は全く感じなかった。
(前回に引き続き二度も、、、)
おかしい。
あまにも意味不明すぎて、、、
契約した対象者の痕跡をこの自分でさえ、見つけるどころか痕跡さえ辿れない。何よりも大事な花嫁を搔っ攫われた。白夜は手に持つ書状を握り潰せば殺気の妖力を漏らす。
「クソ…よくも俺の花嫁に手を出してくれたな。今度こそ逃がさねぇ…。徹夜!鬼頭家に伝達を送れ。時雨が行方不明になった。俺はこれから時雨を探す」
「畏まりました。それと…この後に控えた王政会議ですが、そろそろ時間です」
「却下」
「え?」
「俺はそれに参加できない」
「若⁈」
まさかの御三家・鬼頭家代理である白夜が参加しないと言う。
これは流石に例え白夜であれど許されることではない。
あの会議には御三家他、政治の中核を担う老中、場合によっては王家の者が顔を出す。今回、御三家が現世と揉めた件を含め、隠世では新しい王の器を決める後継者争いが起ころうとしている。
「今回ばかりはダメです!王政会議に御三家の頭が参加しないなど前代未聞。貴方は今、鬼頭家を背負うお立場としてここにいるのです」
「なら時雨はどうなってもいいだって?」
「そうは言ってません。時雨様の身の心配を暗じているのは私とて同様。しかし貴方は鬼頭家当主代理なのです。そのお立場を覚悟して臨まなければ…若にとって最善の選択を」
徹夜の言葉に黙り込む。
久野時雨を探すのが先か、鬼頭家の頭を立てるか。
どちらも欠けてはならない。
だからこそ、どちらも優先しなければならない。
溢れ出る妖力を静かに沈めれば発状態の瞳を元に戻す。
現時点で分かったことは時雨が妖都からいなくなり、白夜側から後を追えないということ。この短いスパンで、しかも契約した関係に加えて神獣の力も働けてない。それら全てをかい潜ってまで姿を消したとなれば…
「相当な実力者だな、、」
「やはり現世側でしょうか」
「…いや、あっちの勢力はだいぶ薄い。術師の力は年々衰え傾向だと聞くし。単独で人ひとり誘拐なんざ、御三家であれど厳しい。だがそれを逆手に達成した人間がいるとするなら…」
かなりの大物を現世は爆弾に抱えている。
(…誰だ、、、)
なぜそこまで時雨にこだわる。
鬼頭家にとっての弱点をここで完全に潰す気なら…記憶にある者のリストを整理し、怪しい人物を上げていく。
「現世の人間が時空を超えて隠世にまで術を発言できたと仮定するなら、時雨が前回のように攫われる可能性はある。逆に現世でなく、この隠世の何処かに誘拐されたと仮定すれば、そこには妖の高度な術が関与する」
現世の人間か、コチラ側か、、
分からない。
だが時雨が攫われた事実を踏まえれば、またあの時のような事件が起ころうなんて想像したくもなくて、一刻も早く奪還しなくては。内心焦る白夜を前に約束の会議がどんどん目の前に迫っている。どうするのが最善か…全ては白夜の言葉と判断次第。苦渋の選択を強いられるのだった。
そんな筈はない。
何かあれば鬼頭家のまじない札が通知を知らせる仕組みになっており、それと同時に最後に時雨のいた場所が分かるようになっている。その札が作用しなかったということは…
懐から取り出した札を見れば目を見開いた。
真っ暗だ。
鬼頭家の紋章から広がるようにして焦げたように力を失えば、その役割をまるで果たしていなかった。
ーーー千里眼【発】
白夜の瞳はアメジストに輝けば妖都中の領域を視覚化。
くまなく見渡せば時雨のオーラを探るも何処にもいない。
自分が仕事を優先している間、時雨は妖都の中から完全に姿を消してしまったのだ。時雨が八雲家に攫われた際、それは白夜の体にも違和感を起こしたのに対して、今回は全く感じなかった。
(前回に引き続き二度も、、、)
おかしい。
あまにも意味不明すぎて、、、
契約した対象者の痕跡をこの自分でさえ、見つけるどころか痕跡さえ辿れない。何よりも大事な花嫁を搔っ攫われた。白夜は手に持つ書状を握り潰せば殺気の妖力を漏らす。
「クソ…よくも俺の花嫁に手を出してくれたな。今度こそ逃がさねぇ…。徹夜!鬼頭家に伝達を送れ。時雨が行方不明になった。俺はこれから時雨を探す」
「畏まりました。それと…この後に控えた王政会議ですが、そろそろ時間です」
「却下」
「え?」
「俺はそれに参加できない」
「若⁈」
まさかの御三家・鬼頭家代理である白夜が参加しないと言う。
これは流石に例え白夜であれど許されることではない。
あの会議には御三家他、政治の中核を担う老中、場合によっては王家の者が顔を出す。今回、御三家が現世と揉めた件を含め、隠世では新しい王の器を決める後継者争いが起ころうとしている。
「今回ばかりはダメです!王政会議に御三家の頭が参加しないなど前代未聞。貴方は今、鬼頭家を背負うお立場としてここにいるのです」
「なら時雨はどうなってもいいだって?」
「そうは言ってません。時雨様の身の心配を暗じているのは私とて同様。しかし貴方は鬼頭家当主代理なのです。そのお立場を覚悟して臨まなければ…若にとって最善の選択を」
徹夜の言葉に黙り込む。
久野時雨を探すのが先か、鬼頭家の頭を立てるか。
どちらも欠けてはならない。
だからこそ、どちらも優先しなければならない。
溢れ出る妖力を静かに沈めれば発状態の瞳を元に戻す。
現時点で分かったことは時雨が妖都からいなくなり、白夜側から後を追えないということ。この短いスパンで、しかも契約した関係に加えて神獣の力も働けてない。それら全てをかい潜ってまで姿を消したとなれば…
「相当な実力者だな、、」
「やはり現世側でしょうか」
「…いや、あっちの勢力はだいぶ薄い。術師の力は年々衰え傾向だと聞くし。単独で人ひとり誘拐なんざ、御三家であれど厳しい。だがそれを逆手に達成した人間がいるとするなら…」
かなりの大物を現世は爆弾に抱えている。
(…誰だ、、、)
なぜそこまで時雨にこだわる。
鬼頭家にとっての弱点をここで完全に潰す気なら…記憶にある者のリストを整理し、怪しい人物を上げていく。
「現世の人間が時空を超えて隠世にまで術を発言できたと仮定するなら、時雨が前回のように攫われる可能性はある。逆に現世でなく、この隠世の何処かに誘拐されたと仮定すれば、そこには妖の高度な術が関与する」
現世の人間か、コチラ側か、、
分からない。
だが時雨が攫われた事実を踏まえれば、またあの時のような事件が起ころうなんて想像したくもなくて、一刻も早く奪還しなくては。内心焦る白夜を前に約束の会議がどんどん目の前に迫っている。どうするのが最善か…全ては白夜の言葉と判断次第。苦渋の選択を強いられるのだった。



