△▼△
気づけば日が沈みかけた夕暮れ時。
商店街通りでは夜の営業に備え妖達が店の準備を始め出す。
「…以上が今回の業務内容となります」
「……」
「若、聞いておられます?」
自分の問いかけに返答がないのを不思議に思った撤夜がバインダー越しに顔を上げれば、問題の主の姿が見当たらない。キョロキョロと辺りを見回せば数店舗先に構えるある店の前に彼はいた。悩むまでもなく中に入って行った様子に撤夜は舌打ちをする。
(まだ仕事は終わってないというのに…全くあの人は、、)
撤夜は溜息をつけば主のいる方向に足を動かした。
今日も朝から数件の商談を掛け持ちし、昼には一度戻って事務作業、午後には視察と息つく暇もない。これからもう一件、商談が入っている。ここは鬼頭家から少し離れた場所に位置する商店街通り。鬼頭家が管理する土地に住まう妖達の保安を維持する為、月に一度はこうして自らが出向いて訪問と視察を行ってはいるわけだが、、
「まあ…それもこれも帰れるのかはあの人次第ですが」
店の前まで来ればそこは普段から女性客で賑わう人気のアクセサリー店だ。そう言えばこの店、以前開店資金をウチに前借りしにきたとこだ。鬼頭家の財力は目まぐるしく変動している。尽きることのない膨大な財力を他の部門で運営し、更なる資金源アップに繋げているのは言うまでもない。
広大な私有地を所有し管理をする。
多くの店と取引を行い、その存在感を圧倒的なものにしていく。
その裏に立つのはいつだって鬼神様と崇められ恐れられる彼。
ドアを開ければカランコロンと音の良い鈴が鳴る。
従業員は撤夜を見れば恐縮の笑みを浮かべ慌てて飛び出してきた。
「これはこれは鬼灯補佐官様!ようこそおいで下さいました。今日はいかがされましたか?」
「ああ、すまない。主を迎えに来ただけだ」
店内を見渡せばお目当ての彼は奥側のコーナーにいた。
煌びやかなアクセサリーの立ち並ぶショーケース前、人目も気にせず熱心な目でそれらを見つめる横顔。撤夜は店員を下がらせると大股で近づく。
「一体、ここで何をしてるんですか?」
「ん~?お、撤夜じゃん」
「撤夜ですけど…それで、仕事もせずここでは一体何を?」
ネックレスやブレスレット。
隣には指輪まで置かれるこの一角コーナーはそのどれもが一級品。
巷では婚約指輪や結婚指輪を買いに来る者達も多いとの噂らしく、確かに店内には多くのカップルが見受けられた。
気づけば日が沈みかけた夕暮れ時。
商店街通りでは夜の営業に備え妖達が店の準備を始め出す。
「…以上が今回の業務内容となります」
「……」
「若、聞いておられます?」
自分の問いかけに返答がないのを不思議に思った撤夜がバインダー越しに顔を上げれば、問題の主の姿が見当たらない。キョロキョロと辺りを見回せば数店舗先に構えるある店の前に彼はいた。悩むまでもなく中に入って行った様子に撤夜は舌打ちをする。
(まだ仕事は終わってないというのに…全くあの人は、、)
撤夜は溜息をつけば主のいる方向に足を動かした。
今日も朝から数件の商談を掛け持ちし、昼には一度戻って事務作業、午後には視察と息つく暇もない。これからもう一件、商談が入っている。ここは鬼頭家から少し離れた場所に位置する商店街通り。鬼頭家が管理する土地に住まう妖達の保安を維持する為、月に一度はこうして自らが出向いて訪問と視察を行ってはいるわけだが、、
「まあ…それもこれも帰れるのかはあの人次第ですが」
店の前まで来ればそこは普段から女性客で賑わう人気のアクセサリー店だ。そう言えばこの店、以前開店資金をウチに前借りしにきたとこだ。鬼頭家の財力は目まぐるしく変動している。尽きることのない膨大な財力を他の部門で運営し、更なる資金源アップに繋げているのは言うまでもない。
広大な私有地を所有し管理をする。
多くの店と取引を行い、その存在感を圧倒的なものにしていく。
その裏に立つのはいつだって鬼神様と崇められ恐れられる彼。
ドアを開ければカランコロンと音の良い鈴が鳴る。
従業員は撤夜を見れば恐縮の笑みを浮かべ慌てて飛び出してきた。
「これはこれは鬼灯補佐官様!ようこそおいで下さいました。今日はいかがされましたか?」
「ああ、すまない。主を迎えに来ただけだ」
店内を見渡せばお目当ての彼は奥側のコーナーにいた。
煌びやかなアクセサリーの立ち並ぶショーケース前、人目も気にせず熱心な目でそれらを見つめる横顔。撤夜は店員を下がらせると大股で近づく。
「一体、ここで何をしてるんですか?」
「ん~?お、撤夜じゃん」
「撤夜ですけど…それで、仕事もせずここでは一体何を?」
ネックレスやブレスレット。
隣には指輪まで置かれるこの一角コーナーはそのどれもが一級品。
巷では婚約指輪や結婚指輪を買いに来る者達も多いとの噂らしく、確かに店内には多くのカップルが見受けられた。



