「時雨殿⁈」
青龍は間一髪、目の前に割り込んできた時雨を寸前のところで攻撃する手を止めた。刀剣は頭ギリギリのラインで静止され、刀剣から漂うオーラを肌で感じることができた。
「なんと無茶なことを!もう少しで切ってしまうとこでしたよ!」
「ご、ごめんなさい…。でもご当主様が危ないと思ったら咄嗟に体が」
当主にもしものことがあったら、それこそ冗談では済まされない。青龍が神獣とはいえ、鬼頭家の頭を殺すということは鬼頭家強いては白夜を敵に回す行為。
「ホント勘弁して下さいよ。一歩間違えれば俺は大切な主を失っていたかもしれない」
「本当にごめんなさい。でも鬼頭家の当主様を切ろうだなんて。そんなの絶対にダメだからね!」
軽く青龍をお説教すれば向こうはシュンと落ち込んでいた。
「ご当主様、お怪我はございませんか?」
「問題ない」
振り向けば深夜はケロリとしていて一安心。
比較的落ち着いた所作で着物の袖を直せば笑っていた。
「いやはや…鬼頭家当主であるこの私がな。まさかこうして誰かに庇われるとは初めてのことだ。誠に面白い娘だ」
満足そうな顔の深夜。
その余裕気な態度には悔し気に眉をしかめる青龍だったが、時雨に𠮟られた手前出るに出れず大人しくする。
「どのような形であれ、ご当主様の身に何かあってはなりません」
「なるほど。確かに何事にも動じないその心意気。噂は本当だったようだ。例えソイツに私を殺すことができなくとて、其方はどんな結果であろうと私を庇おうとしたことに変わりはないようだしな」
「え?」
時雨は驚き青龍を見てみれば、青龍は大きく溜息をついた。
「貴様を殺したくとて領域にいたんでは俺の攻撃も無効。領域内はそれを形成する者に対し、引きずり込まれた側は圧倒的不利。神獣とて敵わない」
ここは深夜が作り上げた特殊な精神領域。
領域内において圧倒的な力を誇るのは領域を作る側である深夜本人であって領域外からの攻撃はまず敵わない。故にここでの主導権は全てが深夜にあるということ。そんな逃げ場のない場所にわざわざ時雨を引き込んだのだ。全ては時雨に器があるかを試すため。
「もお!それを分かっていて何故あんな真似を。一歩間違えれば大惨事になるかもと肝が冷えたじゃない」
「…どんな形であれ、コイツは時雨殿を侮辱しました。大事な我が主があんなにも傷ついたお姿…僕には耐えきれなかった」
「青龍…」
自分のためにそこまで、、
尚も悔しそうに俯く青龍。
これでは責めるものも責められないではないか。
「ありがとう。私の為にそこまでしてくれて。でも青龍、例え貴方でも私の大切な人達に手を出すことだけは許さないよ」
「時雨殿…」
「ご当主様、今回はうちのものが大変失礼致しました。彼には後で私からよく言っておきます故、どうかお許し下さい」
失態をしでかした青龍に代わり、深夜へ頭を下げる。
今までの様子を黙って見守っていた深夜はそれを手で制す。
「よい。今回はやり過ぎた私の落ち度でもある。白夜の話だけでは本当に其方を信じていいものか。正直分からなかった。時雨」
「!はい」
「私はもう先は長くない。そうなった時、息子には次期当主としての役目が回ってくる。鬼頭家を背負うということは時代を引き継ぐということ。生半可な側目を置くわけにはいかんのだよ」
青龍は間一髪、目の前に割り込んできた時雨を寸前のところで攻撃する手を止めた。刀剣は頭ギリギリのラインで静止され、刀剣から漂うオーラを肌で感じることができた。
「なんと無茶なことを!もう少しで切ってしまうとこでしたよ!」
「ご、ごめんなさい…。でもご当主様が危ないと思ったら咄嗟に体が」
当主にもしものことがあったら、それこそ冗談では済まされない。青龍が神獣とはいえ、鬼頭家の頭を殺すということは鬼頭家強いては白夜を敵に回す行為。
「ホント勘弁して下さいよ。一歩間違えれば俺は大切な主を失っていたかもしれない」
「本当にごめんなさい。でも鬼頭家の当主様を切ろうだなんて。そんなの絶対にダメだからね!」
軽く青龍をお説教すれば向こうはシュンと落ち込んでいた。
「ご当主様、お怪我はございませんか?」
「問題ない」
振り向けば深夜はケロリとしていて一安心。
比較的落ち着いた所作で着物の袖を直せば笑っていた。
「いやはや…鬼頭家当主であるこの私がな。まさかこうして誰かに庇われるとは初めてのことだ。誠に面白い娘だ」
満足そうな顔の深夜。
その余裕気な態度には悔し気に眉をしかめる青龍だったが、時雨に𠮟られた手前出るに出れず大人しくする。
「どのような形であれ、ご当主様の身に何かあってはなりません」
「なるほど。確かに何事にも動じないその心意気。噂は本当だったようだ。例えソイツに私を殺すことができなくとて、其方はどんな結果であろうと私を庇おうとしたことに変わりはないようだしな」
「え?」
時雨は驚き青龍を見てみれば、青龍は大きく溜息をついた。
「貴様を殺したくとて領域にいたんでは俺の攻撃も無効。領域内はそれを形成する者に対し、引きずり込まれた側は圧倒的不利。神獣とて敵わない」
ここは深夜が作り上げた特殊な精神領域。
領域内において圧倒的な力を誇るのは領域を作る側である深夜本人であって領域外からの攻撃はまず敵わない。故にここでの主導権は全てが深夜にあるということ。そんな逃げ場のない場所にわざわざ時雨を引き込んだのだ。全ては時雨に器があるかを試すため。
「もお!それを分かっていて何故あんな真似を。一歩間違えれば大惨事になるかもと肝が冷えたじゃない」
「…どんな形であれ、コイツは時雨殿を侮辱しました。大事な我が主があんなにも傷ついたお姿…僕には耐えきれなかった」
「青龍…」
自分のためにそこまで、、
尚も悔しそうに俯く青龍。
これでは責めるものも責められないではないか。
「ありがとう。私の為にそこまでしてくれて。でも青龍、例え貴方でも私の大切な人達に手を出すことだけは許さないよ」
「時雨殿…」
「ご当主様、今回はうちのものが大変失礼致しました。彼には後で私からよく言っておきます故、どうかお許し下さい」
失態をしでかした青龍に代わり、深夜へ頭を下げる。
今までの様子を黙って見守っていた深夜はそれを手で制す。
「よい。今回はやり過ぎた私の落ち度でもある。白夜の話だけでは本当に其方を信じていいものか。正直分からなかった。時雨」
「!はい」
「私はもう先は長くない。そうなった時、息子には次期当主としての役目が回ってくる。鬼頭家を背負うということは時代を引き継ぐということ。生半可な側目を置くわけにはいかんのだよ」



