さすがは上司が編み出したダンスだ。僕も一緒に踊る。
 数秒間踊ったあと、僕は正気を取り戻した。一人には念力が効かなかったため、そいつは自由の身だ。いつ襲われてもおかしくない。
 たちまち、楽しさは怯えへと変換され、僕は足早にその場から逃げ出す。移動機械に乗り込み、地面から離れた。
 僕は、移動機械を操作しながら、思わず笑みを洩らす。とりあえず、一人ではあったが、地球人にも僕たちの念力が通じた。これで僕は晴れて昇格し、本格的に、『異星侵略計画~地球編~』が幕を開けることになるだろう。
 あ、と僕は声を上げる。念力を解くのを、忘れてしまった。
 ※なお、異星人の言葉は、特殊な方法によって、日本語に翻訳されたものである。