「初優ちゃん、実際会ってみるとやっぱり可愛い」
「へ?」
遥陽さんの面白い話に笑っていると突然そんなことを言われて変な声が出てしまった。
そして言葉の意味を理解すると、勢いよく私の顔は熱くなる。か、可愛いって言った……?私のこと、可愛いって言った……?
お世話だとわかっていても不意打ちはズルすぎる。
反応に困ってしまうでは無いか。
「その反応、たまらないね。笑ってる初優ちゃん可愛い」
「……〜〜っ、もう!あんまりそんなこと言わないでください!」
急に顔が近づき、耳元で囁かれたもんだから思わず後ずさる。しょ、初対面の人にそんな可愛いって言わないで。
「本当のことを言っただけなのに」
そんな私の反応を見て、笑うと遥陽さんは空を見上げた。そして、また歩き出す。
私も、熱くなった頬を手でパタパタと仰ぎながら後ろをついて歩く。
「……着いたよ!」