「なんかね、彼氏の友達がね、彼女欲しいって言ってるんだって。それでなんかいい人いない?って聞かれたの。そこで咄嗟に初優のこと話しちゃって」


「……えっ!?話しちゃったの!?」



バツが悪そうに早口で話す紗夜。


紗夜の話に驚いて私は思わず大きな声を出してしまった。私ははっとして口元を手で抑える。


キョロキョロと辺りを見渡すがそこまで注目されることはなかった。



「本当にごめん。ほら前から話してたでしょ?初優だったらいっかなーって思っちゃって。でもまだ連絡先は教えてないから」


「…………」



確かに前から話は聞いていたけど本当に私のことを話すなんて思わなかった。


こんな私のことを話したって相手にとってはなんの得にもならないと思っていたから。



「それで……相手はなんて?」


「……初優のこと、話聞いただけですごく気に入ったみたい。今度スマホでメッセージのやり取りしたいって」