でもそれは無駄で初優から勢いよく手を払われた。
その事がショックでそれ以上止める気にもなれず、その日はそのまま初優と別れた。
その後のことは覚えていない。
気づいたら家に帰っていて泣いていた。
胸が苦しくて、押しつぶされそうになる。初優に言われた言葉が頭の中に重くのしかかる。
自分の気持ちを整理するので精一杯だった俺はその日から初優を避けるようになった。連絡も電話も一切することなく、俺は受験勉強に没頭した。
初優と向き合わないと行けない事はわかっている。
でも、余裕のない今、そんな話し合いをしたらまた初優のことを傷つけてしまう。
だから、初優から“話し合いたい”とメッセージが来ても気付かないふりをした。
でもいつまでもそんなことをしていられない。
「遥陽。彼女と話しろよ」
夏祭りから日がたったある日。
優希に言われてハッとする。
「……優希には関係ないだろ」
思わず突き放すような言葉を言ってしまう。