だけど、俺が3年生に上がり、受験勉強が本格的に始まると徐々にすれ違いが続いた。
夏休みの前までは家でデートしたり、電話をしたりすれ違うことなく過ごすことができていた。でも、親に勧められた塾に入った時からメッセージの量も減り、会う頻度も少なくなった。
優希も彼女とあまり会わなくなったと言っていたがメッセージは毎日交換してるし、電話も息抜き感覚でしていると言っていた。
多分そのことがあったからこそ、優希と彼女は続いていたんだと思う。
俺と同じ塾に通いながら、上手く関係を保っていた。その配慮があれば、俺は初優を傷つけずにいたかもしれない。
「なぁ、今年、お前らは夏祭り行かねーの?」
「え?」
夏休みに入る直前のある日の休み時間。
優希にそう聞かれた。確か夏祭りって初優の地元で行われる大きい祭りだよな。優希は去年、彼女と行ったらしい。
今年も行くのか?
「……まだその話はしてないけど」
「まじか。俺の彼女からダブルデートの話が出てるんだけど、お前、どう?」