「別にいーだろ。だって、彼女いたことねーじゃん。好きな人がいるとかそんな話聞いた事ねーし。それに彼女欲しいって言ってなかったっけ?」


「だから、さっきからそれなんだよ。彼女欲しいなんて俺言ったことないよ。それに今は別に彼女欲しいとか思ってないし」



……まぁ来年受験を控えてるから今から恋愛したいとかは思わない。ただ、年齢=彼女いない歴の俺は恋に興味ないわけではない。


初恋もまだで、恋の経験がない俺は優希の惚気話を聞くだけで満足していたまでもある。



「まぁまぁ。そんな言うなよ。ほら、これが彼女の友達。どうよ、結構可愛ない?」



そっぽを向きながら優希と話しているとスマホを取り出し、1枚の写真を見せてくる。


そっと視線だけを移す。そこに写っていたのは優希の彼女と、その友達。その子は目が大きくて、顔が小さい。まるで小動物のような可愛らしさを持っていた。


長い髪の毛をポニーテールにして、カメラに向かって微笑んでいる。